
「仮想通貨・ブロックチェーンの”ダボス会議”」どうなってる?④|リップルCEO「現在の国際送金では10兆ドルのムダ」
スイス・ダボスで1月下旬に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)。ここでのパネルに登壇したリップル社CEOのガーリングハウス氏が現在の国際送金システムでは銀行の慈善積立金という「10兆ドルのムダ」が生じていることを指摘しました。リップル社の技術を使えばこれが不要になるとあらためてリップルによる効率化を強調しています。
1月下旬、スイス・ダボスで開催された世界経済フォーラム。
米経済番組CNBCが主催したパネルパネルで、リップル社CEOのガーリングハウス氏が登壇。
現在の国際送金システムにおけるムダの指摘とリップル社技術による効率化のメリットの強調が行われました。
リップルCEO「現在の国際送金では10兆ドルの無駄が生まれている」
Brad Garlinghouse CEO of Ripple at Davos World Economic Forum 2019 - YouTube
出典:YouTube
同氏は、現在の金融インフラにおける”事前積立金”という前提を根本的に変えるべきだとしたうえで、次のように主張しました。
もし仮想通貨の流動性を利用したリアルタイムの支払いに切り替えることができれば、(事前積立金の)10兆ドルを他の目的に使うことができる。
それは社会にとって良いことだ。
事前積立金とは、国際送金を行う銀行に課せられたものです。現在の国際送金市場においては、各銀行は地元の法定通貨で巨額の事前積立金を保有しないといけないことになっています。
同氏は自社のxRapidというシステム、つまり、仮想通貨XRPを間に挟んだ送金システムに切り替えれば、手数料を抑え、かつ事前積立金は少なくて済むと主張しました。
それだけでなく、既存の巨大金融機関に大きな変化を与える可能性についても指摘しています。
シティバンクは、国際間の流動性管理の13%を占めており、国際間取引だけで、一年間に80億ドル(約8758億円)もの利益を出している。
この部分に大きな変化が生まれるだろう。
また、リップル社がすでに約200の金融機関と「リップルネット」などを通じて提携していることを強調。自社がクロスボーダー送金を変革する可能性が高いことを指摘しました。
出典:リップルネット新たに13社参加し機関企業200超|仮想通貨XRP利用も“SWIFT”との競争準備進む | 仮想通貨まとめ
「ビットコインは価値保存手段」
さらに同氏は仮想通貨ビットコイン(BTC)について、リップル(XRP)と比較しつつ言及。
自身もビットコインを保有していることを打ち明けた後、次のように「ビットコインとリップルでは役割が異なる」ことを述べました。
まず、現在のビットコインを「動かないもの」と前提を置いたうえで、その理由を次のようにあげています。
スケーラビリティ(規模の拡大)の問題やPoW(プルーフ・オブ・ワーク)をモデルにしている
こういった背景による理由がありつつも、現在開発者たちが解決に向かっているとしたうえで、次のように結論づけました。
私は、ビットコインがゼロになると言うことはできない」
そして、
ビットコインは「価値保存手段」になるかもしれない
「決済機能ならリップル(XRP)が上」
一方リップル(XRP)については
「ビットコインに比べて圧倒的に規模の拡大に耐えられる」
「ビットコインに比べて圧倒的に低コストで圧倒的に速い」
決済機能に焦点を当てた場合、BTCではなくXRPに軍配が上がるだろう
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鈴木まゆ子 / 1326 view

税理士・ライター。
2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。
しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。
そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。
何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。
こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。
Twitter: mayu_suzu8
この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。
2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。