中国、ブロックチェーン企業に「検閲義務」

「仮想通貨はいらない、でもブロックチェーンだけほしい」

国をあげてブロックチェーンの活用に勤しんできた中国。
行政や産業のいたるところでブロックチェーンの活用が進んでいます。

ただ、その一方、そのブロックチェーン業界に逆風が吹きつつあります。

中国のインターネット規制に関する当局であるサイバースペース管理局(CAC)は、国内で事業を展開しているブロックチェーン企業に対し、匿名性を排除する新しい規制を導入しました。

この規制は昨年10月に草案が明らかになっており、注目を集めていました。
2月15日から施行されるそうです。

『ブロックチェーン情報サービス管理規則』が、1月10日、公布された。
規制の対象となるのは、ブロックチェーン技術を使用して情報と技術サポートを中国国民に提供するWebサイトまたはモバイルアプリ
規則が施行されると20日以内にCACに対して事業者の名前、ドメイン、そしてサーバーアドレスを登録することが義務付けられる。

管理対象はサービス提供企業だけではありません。ユーザーに関しても然り。

一般ユーザーの本人確認情報(KYC)、並びにコンテンツ、ログなどの収集及び保存、管理を義務付け、当局の要請があれば情報提供を課すことも可能
利用者の本人確認は、「中華人民共和国ネットワークセキュリティ法」の規定により、組織コード、身分証明書番号や携帯電話の番号に基づき、実施される

昨年の「ブロックチェーンによるインターネット検閲回避」を懸念?

さらに、同規制には次のような項目もあります。

ブロックチェーン情報サービス提供者および利用者は、「国家安全保障を脅かし、社会秩序を乱し、他人の合法的権利および利益を侵害する法律および行政規則により禁止される行為に従事してはならない。」

その「行為」には次のようなものが含まれます。

「法律および行政規制により禁止されている情報コンテンツをコピー・公開、および頒布すること」

この背景には北京大学の女子学生へのセクハラ事件について、インターネット検閲をブロックチェーンを用いて回避した出来事への意識があるとみられています。

昨年、北京大学学生がブロックチェーンを用いてインターネット検閲を回避

北京大学の女子学生、岳昕(Yue Xin)さんら20人が、1998年に同大で起きた性的嫌がらせ事件についての情報を公開するよう求め、これに対し大学側から学生に圧力がかかったことをきっかけ
請願書では、教授から性的な嫌がらせを受け、その後自殺した女子学生についての調査の詳細を公開するよう求めていた。
岳さんは、大学からの対応について書簡を発表。書簡は同国のソーシャルメディアを通じて広がったが、その後、すぐに削除された。
しかし、4月23日夜、この書簡は分散型アプリケーションプラットフォーム「イーサリアム(Ethereum)」上に
動きに対して、「残忍な独裁政治に対抗するためのテクノロジーの正しい使い方」「歴史的瞬間」といった数多くのコメントが集まった。

つまり、北京大学という組織(とおそらく国家組織)により情報が握りつぶされたわけですが、学生らはブロックチェーンを用いてそのコントロールを逃れた、というわけです。

ただ、2月15日からの規制により、このコントロール回避が今後できなくなる可能性があります。

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すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。