災害時のブロックチェーンの可能性は”救助”だけじゃない

災害時のブロックチェーンの可能性は”救助”だけじゃない

「災害時の救助活動にブロックチェーンが有効かもしれない」___2017年、プエルトリコを襲ったハリケーンマリアの際の教訓からアメリカの国防総省ではブロックチェーンに関する研究が進んでいます。

というのも、アメリカの災害はハリケーンマリアだけではないからです。
「ハービー」や「イルマ」、「マリア」、そして今回は「フローレンス」と、近年のアメリカでは巨大なハリケーンが多発しています。
地域コミュニティの崩壊、数十億ドル相当の損害など、自然災害によって受けているダメージは計り知れません。

そして、ブロックチェーンが有効だとみられているのは行政対応だけではありません。
以前からお伝えしていますが、保険業務の対応においてもメリットをもたらす可能性があると考えられています。

災害時の保険対応の現状

災害による保険業界の悩みは次の点▼

、被災者の車や家などの修理・取り替えなどが喫緊に解決すべき問題
深刻な自然災害が発生すると、保険会社はそれに伴う莫大な件数の補償申請に応じなければならない
巨額の資金を必要とする補償対応のプロセスは非常に複雑

具体的には、

保険会社が保険金額の算定のために「損害保険鑑定人」と呼ばれる専門家に委託して、火災の原因や被害状況を調べる
鑑定人は現地に赴くなどして状況を調査し、その結果を保険会社に知らせる
現在は結果が書かれた書類を郵送やファクスで送っている。

さらに、

それを利用して不正に保険金を受け取ろうとする者も出てくる。

そのため、現状、

これらの不正利用者を補償対象から除外する作業も必要
自然災害の補償によって多大な資金を投じるため、再保険会社との契約も調整しなければならない。

ブロックチェーンで情報の同時共有と迅速対応、ミス防止が可能に

これをブロックチェーンが解決できる可能性があるのです。

鑑定人への調査依頼や鑑定結果などの情報を一貫してブロックチェーン上で共有
保険会社と鑑定人の双方が即時に確認できる
1カ月程度かかっていた保険金支払期間を大幅に短縮

スイスのイーサリスク社、ブロックチェーンで保険業務の効率化を提案

このブロックチェーンによる解決策を提供しているのが、スイスに拠点を置くブロックチェーンスタートアップのイーサリスク社です。
同社はイーサリアムのブロックチェーンとスマートコントラクト(システムによって自動的に契約内容が履行される契約)によって、現行の非効率的な保険システムを効率化する提案を行っています。

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すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。