2018年1~10月、仮想通貨での資金洗浄が6000件近くに

仮想通貨取引が沈静化した2018年。
しかし、犯罪利用は逆に増えています。

警察が今年1月から10月までの資金洗浄などの状況をまとめた「犯罪収益移転危険度調査書」を公表。
この中で、次の事実が明らかになりました。

仮想通貨交換業者がマネーロンダリング(資金洗浄)などの疑いがあるとして届け出た取引が、2018年1~10月に計5944件あった
17年は届け出が義務づけられた4月から12月にかけては669件

2017年4月以降、仮想通貨取引所は犯罪収益移転防止法により、資金洗浄などの疑いがある取引を国などに届け出るよう義務付けられています。

実際は2017年ももっとあったかもしれません。
が、公表された数字の上では2017年の8倍、仮想通貨での資金洗浄が行われていたことになります。

資金洗浄の手口は

偽名とみられる名前で複数の口座を開設

実際に、犯罪などに利用された事例としては▼

不正に取得した他人名義のアカウントで仮想通貨を購入したうえで海外サイトで日本円に換金し、他人名義の口座に振り込む
違法薬物や児童ポルノの取引に使われた事例もあった

資金洗浄利用の背景は「匿名性の高さ」「追跡困難」

「マネーロンダリングなどに悪用される危険度は他業態よりも相対的に高い」

このように警察庁は結論付けた上で、その理由を次の点だとしています。

迅速に海外に送信できる

警察の公表内容から「仮想通貨=マネロン」と位置付けるのは早急かも

日経新聞やロイターなどの記事では、あくまでも「仮想通貨」としか書かれていないので、詳細が分からないのですが、、、

仮想通貨にもいろいろあり、送付元のアドレスがわかるビットコインやイーサリアムのような「匿名性の低いもの」もあれば、モネロやジーキャッシュのように、送付元がわからなくなる匿名性の高いものもあります。

そのため、「仮想通貨=匿名性が高い」とは必ずしも言えません。

アメリカでは「犯罪の追跡が容易だから、犯罪者はぜひビットコインを使ってほしい」と当局が言うほどです。

ただ、仮にビットコインなどを使ったとしても、ミキシングやタンブラーといったサービスを使うことで追跡を困難にすることは可能です。
現に、今年9月、ハッキングによりZaifから流出したビットコインは、ミキシングが使われていたことにより、途中から追跡が困難となっています。

また、迅速に送信というのも、メジャーコインであればあるほど当てはまらなくなってきています。

ビットコインは必ずしも送金が迅速とは言えません。
決済スピードの速さはコインによりけりです。

ここで「仮想通貨=マネーロンダリングOR犯罪利用」として結論付けるのは早急であるように思います。

「現金はどうなのか?銀行ならマネロンは起きないのか?」

と問われると、現金も預金も必ずしもクリーンで安全とは言えません。

テロリストにとって実は仮想通貨は使いづらく、高額取引には相変わらず現金が用いられているといいます。

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鈴木まゆ子 / 722 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。