評価が高かったはずのロシア仮想通貨規制、いまだ方向性決まらず

仮想通貨規制に関しては、世界の中でも先進国だと思われていたロシア▼

ロシアではスマートコントラクト、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)、マイニング(採掘)、クラウンドファンディングなどについて、明確な法的地位が確定されておらず
財務省はその整備のため3月に国家会議に対して、いわゆる「デジタル金融資産」関連の3法案を提出
デジタル金融資産は、ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)など6つの仮想通貨

しかし、いまだに迷走しているようです。
今年1月、プーチン大統領の指示により始まった仮想通貨関連法の草案作成。
5月に下院の読会を通過しました。

しかし、この秋になって、二転三転している模様。
ロシアの仮想通貨法制である「デジタル金融資産に関する」草案が第一読会の段階に戻され、大幅な修正を受けることになるのだとか。

「仮想通貨」や「トークン」に関連するすべての用語を「デジタル権」という言葉に置き換えた
「デジタル権」と「デジタル金融資産」との関係性に混乱が生じている
10月には、仮想通貨マイニングの定義も法案から削除された。

さらに、専門家たちからの批判や理解の不一致も絶えません。

パーヴェル・クラシェニンニコフ下院国家建設委員長が、草案は仮想通貨やトークンに関連するものではない
弁護士たちは、ロシアの企業法制の基準と対立するような文言が使われていることに言及

法律において、文言、つまり言葉の定義は非常に重要です。
用語それ自体はきわめて曖昧なため、そのまま法律に持ち込むと、人によって解釈の違いが生じます。
法律行政を潤滑に進めたいなら、多様な解釈の余地を排除する必要があります。
そのため、多くの法律では用語の定義をがっちり決めているのです。

弁護士たちが上記のように指摘するということは、この用語の定義がなされていなかったのかもしれません。

ロシア経済発展相「仮想通貨はシャボン玉」

また、ロシア政府にかかわるすべての人間が仮想通貨に対してポジティブな見方をしているとは言い難いのが現状です。

ロシア経済発展大臣のマクシム・オレシキン氏は、メディアインタビューの中で、2017年12月のビットコインの高騰とその後の暴落について言及。

次のように表現しています。

ビットコイン自体はシャボン玉で、それが萎んだ。まさにそういうことが起きたのだ

ただ、その一方、仮想通貨が完全悪だとみなしているわけではなく、むしろ産業発展の刺激になったともしています。

ブロックチェーンといった新技術のもとで多くの投資プロジェクトが立ち上げられたことは業界にとって良いことだ

もしかしたら、人によっては「仮想通貨はいらないけどブロックチェーンだけほしい」と考えているかもしれません。

今年年末までに法案が決まるとされていたロシア仮想通貨法規制。
しかし、現状では、クリプトルーブル(ロシア独自仮想通貨)と同じく2019年にまとまればいいほう、ということになりそうです。

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鈴木まゆ子 / 797 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。