仮想通貨市場”超”不況で中小マイニング業者は撤退へ

規制強化にハッキング、ICOによる売り浴びせやコミュニティの対立…

2018年は仮想通貨市況にとっての悪材料が出揃いまくった1年だといっても過言ではありません(といいつつ、まだまだあるかもしれないけど)。

昨年末には200万円台を突破したビットコインは下がりに下がり、今やまさかの40万円台になっています。
かつての予測では「50万円台が底だろう」と言われていましが…底はどんどん割れまくっています。

そのダダ下がり仮想通貨市況の波を受けているのは投資家やファンドだけではありません。

「マイニングして割のいい報酬をもらってナンボ」の仮想通貨マイニング企業。
もしかしたら、このマイニング産業こそ、もっとも仮想通貨価格の波に振り回されやすいのかもしれません。

中国でのマイニング産業へのダメージは中小企業を中心に広がっているといいます。

今回の暴落で最も手痛い被害を受けたのは中小のマイニング企業
新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区のマイニング企業は大損害

以前からマイニング事業について折に触れてお伝えしてきていますが、マイニングにはコストがかかります。

マイニングハードウェアやプラントといったイニシャルコストもさることながら、電気代や地代というランニングコストもかかります。
マイニング対象となる仮想通貨が高騰していれば、大規模資本を投下しても利益が取れるのですが、価格が低迷するとあっという間に採算が取れなくなるのです。

また、マイニング産業を左右するのは仮想通貨価格だけではありません。
「より安い電気代をもとめて」砂漠地帯や寒冷地域などにマイニング施設を建設するところも少なくありません。

が、この「環境」もまた、採算性を左右する要素になっているのです。

今中国では乾燥する季節で、水力発電による電気を利用したマイニングパワーのコストは、今年のピークに達している。
大規模なマイニングプールのオーナー達からは、赤字経営が3ヶ月続いているとの話を聞くが、これは2014年以降かなり稀なことだ。

このような採算性の悪化から、撤退を余儀なくされる事業者もいます。

Li氏というマイナーは、仮想通貨がもっとも価格を高騰させた2017年の後半から、数十万元(10万元は約160万円)をマイニングマシンの購入に費やした
当時、同氏は努めていた金融事務所もやめ、マイニング事業に専念した

しかし、仮想通貨価格の暴落により「簡単に稼げるはず」のマイニング事業は一気に不採算ビジネスに。

経済的な打撃を受けたのち、Li氏はマイニングファームを閉じざるを得ない状況

そして、マイニング事業を諦めた事業者たちは、自身が持つマイニングハードウェアを手放しています。

2万元したマイニング機器は”高値でも”1千元にしかならない「鉄屑」

ただ、マイニング産業が不採算ビジネスであることはすでに周知の事実。
かつては高値を争ったマイニングハードウェアも鉄屑でしかありません。

中国の事業者がマイニング装置を投げ売りする事態となっており、型落ちの装置を「キロ単位」で売っている
売られているのは、Antminer S7やAntminer T9、Avalon A741といった古いモデル。
一部のマイニングマシンは元の販売価格の5%で売られている状況だ
1年前に2万元(約32万5000円)で販売されていた装置は、現在わずか1000元(約1万6000円)となっている。

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鈴木まゆ子 / 688 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。