仮想通貨のセリクラで仮想通貨界隈は壊滅的に…

仮想通貨取引所へのハッキング事件、ICOプロモーターによるイーサリアム売り…

ある程度の仮想通貨のネガティブ材料の膿出しが一段落し、もう仮想通貨は底値になったかと思われました。

しかし先日、ビットコインキャッシュのハードフォーク後の難航、そしてBakkt開始の延期といったネガティブ材料がさらに出てしまい、ビットコインが5000ドルを下回る状況へ。
「セリクラ(セリング・クライマックス)か」というつぶやきが飛び交うほどでした。

弱気な投資家にとっては「もう二度と仮想通貨なんかに触るものか」と思うかもしれません。
また、仮想通貨そのものの取引をしていないにしても、マイニングや決済事業と言ったビジネスを展開する企業にとっても現状はあまり好ましいとはいえないでしょう。

しかし、今回の価格下落により「より仕事がしやすくなった」と感じる、ある仮想通貨関係者もいます。

仮想通貨規制を行わなければならない各国の規制当局です。

仮想通貨価格の下落がイギリス当局を”規制プレッシャー”から解放

イギリスの仮想通貨規制当局である大蔵省。
同省の金融サービス副局長であるジリアン・ド―ナー氏は20日、仮想通貨規制に関する専門会議で次のように発言しました。

「もう少し時間をかけて丁寧に検討し、バランスの取れた制度となるようにしたい」

また、イギリスの金融行動監督機構(FCA=日本の金融庁に相当する)の戦略競争部門責任者を務めるクリストファー・ウーラード氏は、同じ専門会議の席で「年内に仮想通貨規制のグレーゾーンを明確化する」として、次のように述べています。

FCAは既存の規制と新たな規制とで対象を明確に定義する仕事に取り組んでいる
今の状況では依然として多くの「曖昧な領域」が残っている
仮想通貨業界に存在する『グレーゾーン』を無くし、白黒の境界線を明確にすることが必要である
どの仮想通貨がFCAの規制範囲に入り、どの仮想通貨が規制範囲外に抜けるのか明確に決まるだろう。

背景には「仮想通貨規制を急げ」プレッシャーからの解放

このFCAメンバーによる「じっくり規制を検討します」スタンスの発表の裏には、仮想通貨価格下落に伴い、プレッシャーから解放された感があるからではないか、と見られています。

イギリスでも例外なく、一刻も早い仮想通貨関連の規制の整備を行うために注力してきていた

この背景には仮想通貨の価格高騰、ボラティリティの上昇にありました。
投機的な投資家の参入や詐欺の頻発、そしてマネーロンダリングなどの懸念がより強くなり、FCAへの「早く規制を行え」圧力が強まったのです。

ただ、「急いだ規制」には欠陥があります。

荒削りで乱暴な規制をかけてしまい、投資が抑制されたり仮想通貨産業の発展が妨げられたりする危険性も高まっていた。

最近、仮想通貨が下落・低迷することで、仮想通貨市場でのトラブルそのものも減少。結果、

イギリスだけでなくアメリカや諸国にも言えること

イギリスだけでなくアメリカや諸国にも言えること

この「じっくり規制案を練る」スタンスは、イギリスだけでなくアメリカを始め他の諸国にも言えることではないでしょうか。

仮想通貨とブロックチェーンは切っても切り離せない関係にあります。
中国は「仮想通貨はNO、ブロックチェーンはOK」としていますが、筆者個人は、そのブロックチェーン活用には「透明性の向上」「改ざん性の低さ」といった、中央集権的な活用のみに限られているのではないかと推測しています。

仮想通貨にしてもブロックチェーンにしても、規制するならばデメリットだけでなくメリットにも着眼するべきです。
イギリスはそこに気づいたわけで、このスタンスはおそらくアメリカではCFTC(商品先物取引委員会)あたりが持っているものだと推察します。

さて、日本での規制はどうなるのでしょうか。

ICO詐欺への懸念から、ビットコインやイーサリアムといった主要仮想通貨だけでなく、可能な限りのトークンを規制対象としようという動きがあるように感じられます。

ただ、すでにICOに関してはもはや壊滅状態。
また価格の高騰などにより復活する可能性も無きにしも非ずですが、多くのプロモーターは、規制の曖昧なICOよりもむしろSTOに動こうとしています。

「規制でがんじがらめにしてそれから自由にする」という方向性かもしれませんが、、、それは産業と言う意味でのブロックチェーンをつぶすことにならないのでしょうか。

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鈴木まゆ子 / 660 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。