イエレン前FRB議長「私が仮想通貨を好きではない理由」

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン前議長が29日、カナダで開催されたフィンテックフォーラムに登壇しました。
その際、仮想通貨ビットコインについても言及。

同氏の「ビットコインが好きではない理由」についても説明がなされました。

実際に(ビットコインが)処理されている取引はごく僅かであり、多くのビットコイン取引は違法で不正なものだ
実際に(ビットコインが)処理されている取引はごく僅かであり、多くのビットコイン取引は違法で不正なものだ
だから多くの取引では使われず、安定した価値の源泉にはなっていません。

また、現時点での欠点である”決済スピードの遅さ”にも言及▼

「効率的な支払手段になるには処理速度が遅すぎる」
従来の決済手段と比べ、取引に必要な電力が「非常に大きい」こともビットコインが効率的な通貨ではない理由の一つだ

仮想通貨関連会社CEO「FUD(ネガティブキャンペーン)を繰り返しただけ」

何も知らない聴衆なら、この権威の言葉に恐れおののくかもしれません。
しかし、すでに仮想通貨・ブロックチェーン業界に携わっている実業家は別の感想を伝えています。

ビットコインの金融サービスやソフトウェアを提供するSatoshi Portal CEOのFrancis Pouliot氏(以下Pouliot氏)は、イエレン氏のスピーチをツィート。
以下のように述べています。

「ロボットのように金融/銀行のVIPへFUD(ネガティブキャンペーン)を吐いた」

仮想通貨への彼女の感想は、「破壊の先生(Dr.Doom)」という異名をとり、2008年のリーマンショックを当てたニューヨーク大学のRoubini氏と同じだといわざるを得ません。

イエレン氏の言っていることは本当に正しいのか

では、イエレン氏のいうことは事実なのでしょうか。

まず、価格の安定性という点ですが、以前に比べてビットコインのボラティリティが下がっていることが指摘されています。

さらに、米ドルや日本円などと連動するステイブルコイン(価格安定型仮想通貨)などの開発・登場により、決済手段としての可能性も広がってきました。

また、決済スピードについては、DASHやXRPなどといった比較的スピードの速い仮想通貨も登場。

また、電気消費や環境負荷の問題については、「仮想通貨のマイニング”だけ”が問題であるとは言えない」という報告もなされています。

さらに言うならば、FRBが気にすべきはビットコインやイーサリアムのような非中央集権的な仮想通貨ではなく、自身が発行するCBDC(中央銀行発行の独自仮想通貨)ではないでしょうか。

だとするならば、POWほどエネルギーコストはかからないはず。
というのもPOWは完全トラストレスであるがゆえのシステムだからです。

信任のおける限られた人間でのブロックチェーン運営ならば、ビットコインほどのエネルギー消費はしないものとみられます。

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鈴木まゆ子 / 8874 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。