かつてブームだったICOは今や下火に

2017年から2018年にかけてブームとなったICO(イニシャル・コイン・オファリング)。
「9割近くは詐欺」と言われながらも、それでも多くの投資家がリターンを期待してICOトークンを購入しました。
泣きを見る人がいる一方、きちんとしたものに投資すればリターンもあったようです。

ただその一方、うまくいかないICOも数多くありました。
仮に資金調達に成功しても、その後、プロダクトの開発に時間とコストがかかりすぎたプロジェクトもあったようです。

そして、ICOの長期化、仮想通貨の価格下落からICOプロモーターによるETH売りがEHT価格暴落のきっかけになりました。

そして今や、「ICOはうまみがない」とさえ言われるようになってきています。

ICOの失敗率は6割前後

ベンチャーキャピタルのファブリック・ベンチャーズは、今年1月から9月までのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)について分析、その結果を公表しました。
これによると、ICOトークン319のうち、BTCとETHのパフォーマンスを上回るほどのICOは実に3分の1程度にすぎなかったのだとか。

下記のグラフが示すように、全体でみてもICOトークンのビットコインやイーサリアム に対する優位性は減少している。
今年これまでのICO調達額は、2017年の56億ドルをすでに大幅に上回っているものの、6月以降、急減速している。
今年のICOのうち、資金調達に失敗したり、消えたり、投資家に払い戻ししたりしたICOは全体の58%
今年のICO調達額の47%をEOSやテレグラムなどたった10プロジェクトが占めている

▼ICOで17億ドル調達したテレグラムは、プロジェクトの目的であるTONのテスト版をこの秋にもテスト開始するとのこと▼

調達資金の使い道だが、40%以上がインフラプロジェクトに投資
多くの投資家が開発者のためのツールやWeb3.0時代に向けた主要インフラの整備に注目

大規模ICOになるほど収益は減少傾向に

また、別の調査結果も出ています。

仮想通貨・ブロックチェーン投資ファンド企業Primitiveの創設者であるDovey Wan氏は公式Twitterで自社独自のICO調査の結果を公表しました。

我々は多くの主要ICOプロジェクトを調査した結果、調達金額が多いことは、必ずしも投資家のリターンも高いとは限らないことが判明した。
大きな調達金額はそれほど影響力を及ばさない可能性が高い。
控えめな経営姿勢を保つことが創設者として成功する秘訣なのだ。

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鈴木まゆ子 / 1484 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。