仮想通貨取引で一度は目にする相場操縦「パンプアンドダンプ」

仮想通貨市場で時々目にするのが”不自然な価格の動き”。
特段理由もないのに価格が上昇し、一定のポイントまで来ると価格が急落します。

ポジティブ材料があるとき以上に急激な価格変動を示すことも。

この背景として、仕手筋による価格操縦のひとつ”パンプ&ダンプ”が行われている可能性が非常に濃厚です。

パンプ&ダンプとは、一気に特定の仮想通貨(特に流動性の低い草コインなど)を大量買いし、価格が目標値まで上がった後、一気に売りさばくことで膨大な利益を得ようとする行為をいいます。価格操作のひとつです。

ロシアに拠点を持つといわれる仮想通貨取引所Yobitが先日「仕手筋」を告知。実際に「プーチン」と言われる草コインでパンプアンドダンプを行いました。

こういった相場操縦について、一部投資家は

「別にいいじゃん」
「シロウトが食われるだけだし」
「タイミングをうまく狙えばこっちも儲かるよね?」
「詐欺もコミコミで了解して初めて”自己責任”でしょ」

という人もいるようですが、、、


市場の成長という点を考えると容認できることではありません。
また、タイミングを狙おうとしても、どうやら一般投資家が利益を”狙い通りに”手にすることは難しいようです。

フロリダ大学が「仮想通貨のパンプアンドダンプスキーム」論文を発表

アメリカのフロリダ大学の准教授ら3人がこのパンプアンドダンプについて研究し、論文を発表しました。

論文タイトルは「仮想通貨のパンプ・アンド・ダンプスキーム 」(”Cryptocurrency Pump-and-Dump Schemes” )。

本研究では、仮想通貨市場における500のケースを集めて調査分析が行われています。

論文では、仮想通貨市場での仕手行為、手口や損益分岐点といった相場操縦の手口について詳細に記述されており、仕手グループ側のメリットと一般投資家側の危険の度合いの差が明確になっています。

仕手筋の手口とは

Telegramなどのソーシャルメディア上で、グループを組織し、参加者を引き付けるような広告をうち、リアルタイムでその計画「決行日、時間、取引所」を公開する。
P&Dは実況され、ターゲットとなる取引トークンが、決行時間と同時に明かされる
しかし、最新の暗号化技術により、仕手筋の身元は明かされることがない。

パンプアンドダンプの具体的な現象は

P&Dは、ターゲットにしたトークンの価格と取引量に、短期集中的に、劇的な影響を与えるケースが大半を占める

具体的には、

P&Dの開始後、初めの70秒間で、価格は平均25%上昇し、取引高は148倍に膨らみ、さらに10秒平均の絶対利益は15%に達する。
P&Dの開始から70秒後に状況の反転が開始され、 1時間後には、最初の効果の大部分が消失する。
P&D開始の5分前から、異常に高い取引量ととも平均5%のターゲットトークンの価格上昇が見られる。
P&Dグループは、一般の告知よりも早く、情報を提供されるプレミアム会員制を取るものもあるが、その利益率は、18%にも達するとの計算結果が出ている。これはP&Dによる最高利益率に迫る数字である。
インサイダーではない投資家が利益を得るためには、P&D告知から、10~20秒後に、トークンを購入し、1分以内に売却しなくてはならない。告知から1分後に購入した場合ほぼ必ず投資金額を失うことになる。

一般投資家のメリットは”ゼロ”

一見するとパンプアンドダンプにうまく乗っかれば一般投資家も儲かるかのように見えますが、、どうもそうではなさそうです。

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鈴木まゆ子 / 4246 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。