「仮想通貨=マネロン利用」という通説

「仮想通貨はマネーロンダリングに使われる」という通説がまかり通っています。

今年初めの規制強化の第一の理由はまさにこれ。
そして、中国やインドなどで仮想通貨規制が強化されている理由もマネロン防止です。

P2P、つまり、途中に銀行を介さずに1対1で送金ができるという仕組み、そしてアドレスが個人IDに結びついていないがゆえに、マネロンに利用されやすいというのがその通説の背景にあります。

仮想通貨のマネーロンダリング利用の懸念から、日本やロシアでは追跡システムを開始。さらにロシアでは、仮想通貨ATMを撤去するに至っています。

アメリカ議会「仮想通貨はテロリストにとって使い勝手が悪い」

こういった通説に関し、アメリカ議会のテロおよび不正融資に関する小委員会がその手法などについて議論した模様です。下院金融サービス委員会の7日のプレスリリースで明らかになりました。

結論から言うと、▼

アルカイーダやイスラム国などのテロ組織はどこも仮想通貨による資金調達を試みているが、大きな成功は収めていない

「武器などの実際の取引で好まれるのは仮想通貨よりも法定通貨、そして現金だ」

と、米シンクタンク「民主主義防衛財団(FDD)」の制裁・不正融資センターの分析責任者であるヤヤ・ファヌージ氏は強調しています。

大部分のテロリスト、特に「ジハードの戦場」にいる者は仮想通貨が使える環境にはおらず、物品の購入には法定通貨が好まれている
仮想通貨は「ジハーディストにとって使い勝手が悪く」、「現金が今でも一番」

戦場で通信や電気が安定的に使えるとは限りません。
一方、仮想通貨がスムーズに活用できるには、それらのインフラの安定供給が欠かせません。

かつ、ビットコインなど、仮想通貨によっては送金の遅れや詰まりが問題視されています。
高額な武器の取引の際、送金が遅れたとなれば、それでなくても孤独感の強いテロリストにとっては不安と脅威の種になるのかもしれません。

ただ、だからといって、「無策でいていい」わけではありません。
「今後仮想通貨利用が増える可能性がある。だからこそ”今”備えるべきだ」と同氏は強調します。

「テロリストによる仮想通貨の利用増に今備えることで、米国は、デジタル通貨市場が不正融資の聖域になってしまうのを制限することができる」
テロ資金の調査を担当する米政府機関は仮想通貨取引の分析能力を向上させるべき

仮想通貨の使い勝手が悪くとも、今後利用可能性が見込めれば活用が増えてくるでしょう。
フォーブス誌によれば、「テロリストによる仮想通貨の資金調達キャンペーンの例が複数ある」とされています。

仮想通貨云々以上に「どこで決済されるのか」が重要

さらに、仮想通貨を入手するルートに目を光らせることも重要です。

マイニングで入手する方法も考えられますが、簡単に手に入れるには取引を使うのが一番。
相対取引(OTC取引)の可能性もありますが、取引所などでの入手も十分に考えられます。

そこで同氏は、仮想通貨の入手ルートに関するアドバイスとして、次のように述べています。

ここ数年で資金洗浄防止(AML)や顧客確認(KYC)のポリシーを大幅に強化している大手の取引所ではなく、代替トークンや「プライバシーコイン」を扱っている小規模な取引所に注目すべき

仮想通貨取引所も千差万別で、大手取引所は今後の事業拡大や社会の信頼も検討し、KYCを徹底しているところが少なくありません。

一方、小規模な取引所はまず売上や収益が先になるため、そういった法令遵守が疎かになる可能性があります。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。