リップル(XRP)は他のブロックチェーンベースの仮想通貨と異なり、リップル社が独自の台帳システムXRP台帳で管理されている仮想通貨です。

リップル社が中央集権的に管理しているという点から、米SECでは「リップルは証券に該当するのではないか」という議論がなされていました。

ただ、以下のCEOとCTOの解説からは、リップルはビットコインやイーサリアム以上に分散的であり、ゆえに証券には該当しないという主張がなされる可能性が強そうです。

リップルCEO「リップルは分散化されている、本社は7%程度」

リップル社のガーリングハウスCEOは自社運営の質疑応答コーナー「AMA(Ask Me Anything、何でも聞いてくれ)」における同社戦略部門チーフのジョンソン氏との対談動画を公開▼

Ask Me Anything With Brad Garlinghouse - YouTube

出典:YouTube

ここで、リップルの分散化について、次のように述べています。

XRP Ledgerには、150を超える公式な承認者(validator)がいるが、リップル社が管理しているのはたった10ほどだ。大体7%くらいだろうか。
xrpは中央集権化しているという声を聞くが、全く違うし、どこから説明していいかも分からない
XRPエコシステムに投資している中央集権化された会社、と言う意味ではリップル社はそうだが、そんな会社は他にもたくさんある。

さらに、「リップル(XRP)は証券ではない」という裏付けを強調するかのように、次の一言を発しました。

アラブ首長国連邦のアブダビグローバルマーケットが、XRPは証券でないと明確に述べた

リップルCTOブログ記事「リップルよりむしろBTCやETHのほうが中央集権的だ」

このAMAでのCEOの発言は、これに先立って同社CTOのシュワルツ氏がブログ記事において、リップルが分散的であることについて論証したことに触れたものです。

シュワルツ氏は、リップルが分散的であることを述べるだけでなく、「今は、むしろビットコインやイーサリアムのほうが中央集権的だ」としています。

BitcoinとEthereumは現在、分散化のゴールデンスタンダードとみなされています...

Bitcoin and Ethereum are currently viewed as the gold standard for decentralization…

これらビットコインとイーサリアムのブロックチェーンはその設計により分散化されていると考えられているため、XRPレジャーもまた、BitcoinとEthereumの両方より、あるいは同等程度に分散化されているといえます

Since these blockchains are considered decentralized, then by design, the XRP Ledger is also — if not more so — decentralized than both Bitcoin and Ethereum.

これが一般的なイメージです。
そして、「リップル社」という存在により、「リップル=中央集権的」というイメージがもたれています。

しかし、実質は異なる___シュワルツ氏の解説が続きます。

一部のマイナーが全体を管理するようになる=もはや中央集権的だ

時間が経つにつれて、作業証明システムのブロックチェーンは、数少ないマイナーがシステムを支配している集中管理の対象となります。

But as time goes by, blockchains on the proof-of-work system can be subject to centralized control where a few miners have a significant control over the system.

ビットコインやイーサリアムの知名度がそれほど高くなく、かつマイニングにそれほどのエネルギーもかからなかった時代なら、「分散型である」と癒えたかもしれません。

しかし、マイナーの増加により競争が激化。
資本力のあるマイナー(マイニング企業など)でなければ、仮想通貨のメインストリームであるビットコインやイーサリアムなどをマイニングすることは不可能になりました。

シュワルツ氏はビットコインは4つのマイニンググループがそのネットワークの58%を管理しており、イーサリアムについても3人のメンバーがそのキャパシティの57%をコントロールしているとしています。

さらに、そのマイニングの80%が仮想通貨取引を禁止している中国に集中。これにより、ビットコインとイーサリアムは政治リスクにさらされていると指摘しました。

リップルはマイニング報酬という仕組みがない、大多数管理に依拠

一方、中央集権的にみられるリップルは、一見そうであるかもしれないが、実は分散的であると述べています。

XRPレジャーは、大多数のバリデーターに依拠して取引を記録し検証するコンセンサスプロトコルを使用しています(これが6年以上前にXRP元帳で作業を開始した主な理由の1つです)。

The XRP Ledger uses a consensus protocol that relies on a majority of validators to record and verify transactions without incentivizing any one party (this is one of the main reasons why I began working on XRP Ledger more than six years ago).

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鈴木まゆ子 / 3109 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。