先月、米SECにより却下されたウィンクルボス兄弟のビットコインETF。

伝統的な取引所であるシカゴ・オプション取引所(Cboe)が申請しているビットコインETFがどうなるかに注目が集まっていた分、その衝撃は仮想通貨関係者に衝撃を与えました。

▼ウィンクルボス兄弟ETFが却下された時の記事▼

米SECの好む金融商品とは

「ウィンクルボス兄弟のビットコインETFそれ自体にはそんなに問題はなかった」というのが金融の専門家である広瀬隆雄さんの最初の印象です▼

普通、SECはビットコインETFのような全く新しい商品を許可する場合、最初はプレーン・ヴァニラ、すなわち「白いご飯」みたいなベーシックな意匠のETFを好みます。

ウィンクルボス兄弟が組成したビットコインETFも、この「白いご飯」みたいなETFでした。

しかし、結局は却下。

「白いご飯」みたいなETFが却下されたからこそ、市場に衝撃が走ったわけです。

なぜウィンクルボス兄弟のビットコインETFは却下されたのか

では、「白いご飯」的にオーソドックスな奇をてらわないウィンクルボス兄弟のビットコインETFが却下されたのでしょうか。

実はETFそのもの組成がどうであるかよりも、周辺環境に問題ありとみなされた気配があります。

SECがウィンクルボス・ビットコイン・トラストの上場申請を却下した理由は、「不正や価格操縦を防ぎ、投資家や大衆の利害を守るしくみが完備されてない」から

以下、広瀬さんが解説したウィンクルボス・ビットコイン・トラストの問題点をまとめました。

上場先の問題

ウィンクルボス兄弟が組成したビットコインETFである「ウィンクルボス・ビットコイン・トラスト」は、「Bats BZXエクスチェンジ」と呼ばれる証券取引所に上場される予定でした。

SECはこの上場先の問題を指摘。
「要件を満たしていない」と判断したのです。

Bats BZXエクスチェンジとは

Bats BZXエクスチェンジとは

Bats BZXエクスチェンジとは、今ビットコインETFの申請の行方が注目されているCBOEの子会社です。
NYSEやナスダックと同様、米連邦政府公認の証券取引所となっています。

この取引所では株価情報などをチェックできますし、IPO(新規株式公開)により企業が資金調達することもできます。

ただし、実績はNYSEやナスダックほどではありません。

多くの企業はIPOをする際、NYSEかナスダックを選択します。Bats BZXエクスチェンジを選ぶことはありません。したがって、

また、

この他、取引高がNYSEやナスダックに比べて低いことにも指摘▼

Bats BZXエクスチェンジでの取引高が、ETFのクリエイションならびにリデンプションの円滑な実施の妨げになるリスクも指摘されました

クリエイションとは、「ビットコインを担保にETFという一種の引換券を発行する作業」を指し、リデンプションとは逆に、「引換券をビットコインに換金する作業」を指します。

これら一連の作業がサクサクできることが、ビットコインとETFの価格乖離を最小限に抑えるためにはとても重要

パブリック・ブロックチェーンであるがゆえの問題

また、ビットコインは「パブリックブロックチェーン」がベースとなっています。
アドレスで追跡は可能ですが、それが個人のIDと紐づいているとは言い切れません。

そのため、市場の公平性を担保できないリスクがあります。

パブリック・ブロックチェーンは匿名なので、トレーダーのアイデンティティーを特定することが困難

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。