韓国政府、仮想通貨取引所の”税優遇”撤廃を検討|「付加価値を生み出さない」が理由、31日の仮想通貨相場の下落の一因か | 仮想通貨まとめ

韓国政府、仮想通貨取引所への税優遇撤廃を検討

”キムチプレミアム”とすら言われた2017年韓国での仮想通貨バブル。
この一因には、仮想通貨取引所の多くが韓国の所得税・法人税の優遇を受けていたせいもあるかもしれません。

しかし、かつてほどのバブルは見られなくなった韓国。
KYCの義務化など規制の強化で対応に追われている仮想通貨取引所に、さらなる試練が課せられようとしています。

もしかしたら、韓国国内の仮想通貨取引所は、これまで受けていた税優遇が受けられなくなるかもしれません▼

コインデスク・コリアによると、韓国政府が30日に発表した既存の税法の改正案では、最大100%の減税措置を申請できる新興企業や中小企業の区分から仮想通貨交換所が除外されるという。
同国の既存の税法では、新興企業や中小企業は所得税と法人税の減税措置を申請できる。設立後5年間は50~100%、それ以降は5~30%の減税となる。

この改正法案は8月31日までに国会に提出され、審議されることになります。
その後、この改正法が施行されるか否か、施行されるならばその施行時期をいつにするかが決定される予定です。

韓国政府「付加価値を生まない事業に税優遇はいらない」

韓国政府は、この除外判定について、次のように述べています▼

「仮想通貨取引の仲買は付加価値を生み出す効果的な方法ではない」
「額に汗して稼がない奴に税優遇なんか要らない」

「額に汗して稼がない奴に税優遇なんか要らない」

「仮想通貨取引所は、投資家がそこで取引を行ったり、取引所から仮想通貨を購入したりする場。
取引所は、何か生産的な活動をして付加価値を生み出すわけではなく、そこでの手数料で食べているだけ。

だから濡れ手に粟みたいな商売しているところに税優遇なんかいらないだろう」


という判断なのかもしれません。

なぜ、韓国政府の本音がこのように見えるのか?

本記事からはちょっと外れますが、「勤労所得控除については拡大」という方針を明らかにしたからです▼

韓国の金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相兼企画財政部長官は17日、低所得世帯に税金を還付する「勤労所得税額控除(EITC)」の支援対象と支給額を大幅に拡大する方針を明らかにした。
「低所得層対策は高齢者、零細自営業者、日雇い労働者など社会的弱者をターゲットに、雇用とセーフティーネット拡充に重点を置くようにする」

ちなみに、これと似たような理由で、日本における仮想通貨の使用益については「雑所得」「事業所得」で累進課税が適用されることになっています。
6月、参議院議員の藤巻議員が分離課税の提案を行ったところ、麻生財務大臣が上記と似たような理由で「当面分離課税の導入はしない」と回答しました▼

ブロックチェーン産業の税優遇は維持

ただし、ブロックチェーン産業については引き続き優遇措置を続けていくとのこと▼

同政府は、ブロックチェーン技術に特化した研究開発を行っている新興企業は引き続き税優遇措置を受けられると述べた
この税優遇措置は国内の新興技術を支援する政府による広範な取り組みの一環だ。

7月31日、仮想通貨価格に影響

韓国の取引所に対する税優遇撤廃の情報の影響でしょうか。
仮想通貨価格は7月31日、下落トレンドを示しました。

31日の仮想通貨相場は、ビットコイン(BTC)が心理的な節目の8000ドルを下回りほぼ全てのコインでマイナスだった。
韓国政府が、仮想通貨取引所に対する税控除を辞めることを検討しているという報道が悪材料になっているという見方も出ている。
過去24時間で仮想通貨市場全体の時価総額のうち、約100億ドルが失われたことになる。今週の高値は3037億ドルだったのに対して、現在は2810億ドルだ。
感想

感想

概観すると「ブロックチェーンはいるけど仮想通貨はいらない」的な主張とどこか似ているな、と感じます。

共通点としては「本質が見えていない」。

ブロックチェーンの発展も仮想通貨という現実世界で動いている資産があってこそはじめて実現されるものです。

なぜかというと、「今すぐ使える価値=お金」というのは人間の欲をもっともかきたてます。
ということは、起こりうるトラブルや問題の多くは仮想通貨上で発生します。
仮想通貨という「カネみたいな価値のあるもの」で生じたトラブルとその解決は、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンの改善に等しいからです。

話を戻します。

取引所は規制が強化されれば「濡れ手に粟」のビジネスではなくなります。セキュリティなどにコストをかけなくてはいけなくなるからです。

すでに体力のある大企業ならいざ知らず、利益があるとはいえコネクションも存在感もノウハウもそれほどないスタートアップに、その負荷は耐えられるものなのでしょうか。

政府や行政こそ、「仮想通貨とは何か」「ブロックチェーンとは何か」についてもっと知る必要があるように感じます。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。