自民党有志議員、「新型通貨の適正利用を考える議員連盟」を17日に設立

「仮想通貨を分離課税20%の対象に」という藤巻参議院議員の声もむなしく、「当面その予定はない」という麻生財務大臣の一言でバッサリ切られた「仮想通貨の税制おより取扱いの変更」。

ただ、国会の裏側では、有志の自民党議員によって、その取扱いの変更が議論・検討されている模様です▼

自民党の有志議員が、仮想通貨市場の健全化を目指し、「新型通貨の適正利用を考える議員連盟」を17日に設立することが明らかになった。
投資家保護のあり方などを議論し、関連法の改正も検討する。議連会長には、竹本直一衆院議員が就任する見通し。

この背景には、先日の藤巻議員と麻生大臣の間で交わされた答弁がもちろんあります。が、それだけではありません。

・1月のNEM流出事件における投資家保護の問題
・金融庁の調査により明らかとなった仮想通貨交換業の登録業者のずさんな経営体制

こういったことが問題視されています。

現在、仮想通貨は「決済手段」として改正資金決済法の対象となっています。
が、この法律はもともと電子マネーなどといったものをどのように定義づけるかに関する法律。
仮想通貨を「投資の対象」として捉えていないため、取引所がハッキングに遭った場合の対処については定められていません。

一方、現実には、仮想通貨が支払手段として用いられる場面はほとんどなく、むしろ「投資対象」として扱われることがもっぱらです。
実質的に金融商品のひとつとして扱ってよさそうなものですが、金商法の対象ではないため、盗難などにあっても投資家は保護されません。
また、金融商品を設計することすら不可能です。

こう言った観点から、連盟が結成されることになったものと見られます。

金商法の対象になった場合のメリットとは

では、金商法の対象になった場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

過去記事でも一度取り扱いましたが、、、念のためもう一度書かせていただきますね。

金融派生商品の設計が可能に

ビットコインを使ったETF(上場投資信託)など金融派生商品を金融機関が取り扱う可能性が出て来る

今、アメリカなどでもビットコインETFが話題になっています。ETFという金融商品を設計できれば、仮想通貨”そのもの”への投資に不安を持っている層も、資産の毀損を心配することなく気軽に投資にチャレンジすることができるようになります。

▼仮想通貨ETFについての記事はコチラ▼

分離課税20%の可能性

税制面では、雑所得から分離課税になる可能性がある。

現在、仮想通貨については「雑所得」あるいは「事業所得」として累進課税が適用されることとなっています。
累進課税の対象と言うことは、他の所得と合算した上で、その所得に応じて税率が適用されるということ。
どの税率になるか、最終的な税金がいくらかが読めない状況の中では気軽に売買はしにくくなります。
また、実際に利確したゆえに確定申告を行ったとしても、その後の納税資金が不足したことで、「本来売りたくない仮想通貨を売らざるを得ない」状況に追い込まれることも。
さらにそこに課税をされたら、エンドレスで売却→納税のサイクルを繰り返すことになります。


そのため、「自分の資産なのに自由にできない」状況が生じることになるのです。

もし金商法の対象となれば、分離課税20%の可能性が出てきます。分離課税20%になれば、納税がどれくらいになるかがざっくり分かりますし、売買の予定も立てやすくなります。また、税率が低くなるため、納税のために資産を売らなくてもよくなります。

ただ、すんなりと「金商法の対象」=「上場株式と同じ扱いになる」かどうかはちょっと見えないところがあります。
株式は(デイトレーダーでない限り)本来保有が目的の代物であり、ゆえに譲渡所得として扱われるからです(最初から営利を目的とした売買の対象であるなら雑所得OR事業所得)。

かつ、仮想通貨は支払手段としての側面を持っているため、譲渡所得として扱うのはふさわしいとはいえません。

ドルやユーロと同様、雑所得としながらも分離課税20%枠を設けるのが法律的にも筋が通るのではないか、と個人的には考えます。

盗難の場合の投資家保護

金融商品取引法では、経営破綻などで投資家に資産を返還できない場合、業界で作る基金が損失を補償することを義務付けている。

NEM流出事件でもっとも投資家が怖れたのが「損失」です。
というのも、中には100万単位で投資を行っている人もいるからです。
あのままコインチェックが破綻するのではないか、というツィートも流れるほどで、当時は「今後生活が成り立たなくなるかも」という声すらささやかれていました。

金商法の対象となれば、この懸念が軽くなります。

この他、仮想通貨交換業者の業務内容及び財務状況などについての情報開示が義務付けられることになります。これも投資家保護の一環です。
透明性を確保し、投資家と交換業者の間の情報の不均衡をなくすことで、より透明性の高い市場を実現することができます。


今後、どのように議論が進んでいくかは分かりませんが、連盟の議論が熟したら、仮想通貨の投資についても規制による保護がなされていく可能性が高まります。

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すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。