高級ワインは偽造リスクを常に抱える

ブームが落ち着き、今や世界中に愛好家を抱えるワイン。
しかし、高級ワインでは偽造の問題が絶えません。

ワインは消費者に届くまでに多様な業者が介在しているため、偽造品が紛れ込んだり、劣悪な保管環境によって品質が劣化するといった問題が後を絶たない。
調査機関によって数値は違うが、年間1~5億ドルの偽造ワインが流通しているという。
映画化もされた「偽造ワイン問題」。その理由は?

映画化もされた「偽造ワイン問題」。その理由は?

偽造ワイン問題の背景にはいくつかあります。

ひとつは、「ホントに味のわかる人は少ない」こと。
軽いはずのワインが妙に濃厚だったり、ピノノワールのようにチェリーのようなフルーティな味わいがするはずが妙にタンニンが効いていたりすれば誰でも「おかしい」と気づきます。

けれど高級ワインの場合、ほとんどの人が口にする機会がないために気づきにくいのです。

ワインの場合、商品を全て味見をすることが出来ないことや、味見をしても分からない人たちの方が多いために偽造しやすい
造られ方は、本当の格付ワインを半分入れ、あと半分をカリフォルニアのカベルネなどの濃厚ワインにして、複雑性を生み出したものとして造られていました。
高級ワインを口にするのは数年先、数十年先の可能性が高く、その頃にはワイン偽造犯は儲けるだけ儲けてしまい、行方をくらましてしまう

もうひとつの理由には「ワインのステイタス化」があります。

一本1000万円かかるようなワインは、手にすることにステイタスがあり、多くは飲まれることがありません。
そのため、「どうせ飲まれないし」という前提で、偽造が安易に横行してしまうのです。

そして、偽造を防止する試みはさまざまなされてきましたが、なかなか成功しません。その背景には、▼

生産から販売までにさまざまな業者が関わり、モノの動きが国をまたぐために、管理や追跡が難しい

「そのワイン、本物?」をブロックチェーンが証明

このようなワインの偽造を防ぐべく、さまざまな努力がなされてきました。
が、流通過程をすべて把握するのは難しいもの。

しかし、ブロックチェーンの登場により、偽造ワインの防止に希望の光が見えてきました。

ブドウ農家、醸造所、倉庫など流通に関わる業者がシステムに登録した収穫地、温度管理、輸配送といった情報を、消費者はワインにつけられたQRコードから入手できる。
このデータがたまるとビッグデータとなり、より良いワインがどのように生産されるのかデータに基づいて判断できるようになる。
ブランドだけでなく、作り手の努力がワインの価値にしっかり反映されることになるだろう。
コンサルティングファームEY(アーンストアンドヤング)が実証実験

コンサルティングファームEY(アーンストアンドヤング)が実証実験

このブロックチェーンの応用を積極的に試みているのが世界四大コンサルティングファームの一つ、EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング。

商品バリューチェーンを管理する「ワイン・ブロックチェーン」の実証実験を日本で始めました。

そして「流通しているワインの半分は偽造品」と言われる中国でも、この流通経路にブロックチェーンを活用する動きが始まりました▼

上海拠点のブロックチェーン企業ヴィチェーン(VeChain)は25日、欧州最大規模のテクノロジーイベント「ビバテクノロジー2018」で、優秀なスタートアップ企業第2位に選ばれた。
ヴィチェーンはワインの供給プロセスを検証し、偽造品に対抗するためのブロックチェーンアプリをテストしている
消費者はQRコードをスキャンすることで、醸造所の詳細やブドウの品種など、ワインの重要情報を知ることができる。中国税関の18桁の申告番号や、保管庫から出されて上海の保税倉庫に発送された日、市内のDIG支部に到着した日なども含まれる。

ヴィチェーンのパートーナー、フー・ユー氏は次のようにコメントしています▼

「ブロックチェーンの利点は、買い物客がワインボトルのライフサイクル全体の情報を、ブドウ園や流通、小売業者といった様々な側面から見ることができるところにある」
非金融分野での活用も進むブロックチェーン

非金融分野での活用も進むブロックチェーン

魚や食肉、さらにワインといった非金融分野でのブロックチェーンの活用が進もうとしています。
日本でのブロックチェーン活用の検討の中心は金融分野がメインですが、今後はこのような流通での活用も進んでいくと思われます。

もちろん、ブロックチェーンは完全ではなく、最初の段階での偽造がもしあった場合はそれを防ぐことはできません。
しかし、流通経路だけでも把握できるようになることが次の進歩につながっていくのではないでしょうか。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 9326 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。