スイスの銀行が仮想通貨企業に”初の”ビジネス口座提供

スイスの銀行が先日、初めてビジネスアカウントを仮想通貨の関連企業に提供しました。

ヒポティーカバンク・レンツブルクCEOのマリアンヌ・ヴィルト氏は、同行がスイスで初めて仮想通貨・ブロックチェーン関連企業に口座を開設したと強調した。

ただ、無条件で何でもOKしたわけではありません。
銀行も仮想通貨やICOがマネーロンダリングの問題の温床になっていることは十分わかっています。

そのため、マネロン関連のリスクやコンプライアンス問題を調査し、仮想通貨スタートアップと連携する前にはスイス金融市場監査局(FINMA)に報告するなど、入念な事前準備を欠かしていませんでした。

結果、ビジネスアカウントを提供したのは2社▼

同行は新規顧客の選定には注意を払っており、厳格なデューデリジェンスを経て、受け入れた仮想通貨企業は2社

また、今回の発表では「仮想通貨企業にサービスを最初に行ったのはウチ(ヒポティーカバンク・レンツブルク)だ」としていますが、、

スイスではすでにプライベートバンクファルコンが仮想通貨の管理サービスの提供を始めています▼

仮想通貨、ICO、ブロックチェーンの中心を目指すスイス

これまで「租税回避地」「タックスヘイブン」としての名が知られていたスイス。
今は、その汚名返上のためか、あるいか仮想通貨ならではの匿名性(アドレスは分かっても個人IDまでは不明という意味)を活用してなのか、ICOや仮想通貨、ブロックチェーンの中心的地位を目指すようになりました。

アルプスとともに超安全なスイスフランで有名な国が、今度はボラタイル(変動幅が大きい)な仮想通貨の国創りに夢中になっている。
スイスのツーク、チューリッヒを世界的な仮想通貨コミュニティー、ブロックチェーンの拠点、つまり「仮想通貨金融ハブ」にしようという構想が進んでいる。

スイス・ツーク州は「クリプトバレー」

特に、ツーク州は”Crypto Valley”と呼ばれるほど、仮想通貨やブロックチェーン関連企業が拠点を置く地域となっています。
イーサリアムをはじめとして、シェイプシフト、ザポ、テゾス、メロンポート、モネタスなど。

なぜか?
やはりそこには”税率”が関与します。

スイス26州の中で下から5番目に税率の低いツーク。企業誘致にも積極的です。

ツーク州の人口は約12万人で、一躍スイスのクリプトバレーとして台頭した。人口は2017年に最速の率で増加し、失業率もスイス平均の2.9%より低い2.3%である。法人税は14.6%となっている。

また、仮想通貨での公共料金の支払いにも早速対応▼

ただし詐欺コインの発生も…スイス中央銀行などは懸念の声

とはいえ、懸念がまったくないわけではありません。
先述したように、仮想通貨にマネーロンダリング問題はつきものです。

さらに、どの国でも既に起きている”仮想通貨関連詐欺”はこのスイスも例外ではありません▼

これに呼応するかのようにして、スイスの中央銀行や大手銀行からは懸念の声も出ています。
国内で受け入れ派と懐疑派が対立している状態です。

FINMA(スイスの金融市場監査局)は、仮想通貨を受け入れようとしているが、中央銀行にあたるスイス国立銀行(以下:SNB)は仮想通貨に懐疑的で、それに伴うリスクを警戒している。その他大手銀行の経営者もこの心配に呼応している。
「われわれの見方からすると、これらすべての取引を追跡できるようになり、マネーロンダリング防止の厳格なルールが守られるまでは、極めて大きなリスクである」

まとめ

かといって、仮想通貨の隆盛を指をくわえて眺めているわけではありません。
かつて「世界の銀行」といわれたスイスですが、国内の銀行は減少傾向にあります。
タックスヘイブンに対する世界の冷ややかな目は年々強くなっており、これまでどおりのスキームでは国内の経済や金融が回らなくなってしまう可能性があります。

だからこそ、マルタやリヒテンシュタインに乗り遅れることなく、仮想通貨、ICO、ブロックチェーンでの立国に迫られているのだと思われます。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 8715 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。