Zcashが米仮想通貨交換所Geminiに上場することになりました。
Geminiはアメリカの中でもとりわけ仮想通貨規制の強いNY州の域内に拠点を持ちます。
そしてZcashの特性から、今回の上場ニュースは注目を集めています。

今回仮想通貨のZcash(ZEC)の取り扱いを発表した米仮想通貨取引所Geminiは、米国の仮想通貨関連の企業の認可「ビットライセンス」の元運営する公認取引所となる。

Geminiといえば、ウィンクルボス兄弟。
ウィンクルボス兄弟は仮想通貨長者として知られ、これまで仮想通貨ETFなどの上場や市場の自主規制、さらにはETPの特許取得などで知られています。

ウィンクルボス兄弟(Gemini)に関する参考記事▼

上場ニュース後、Zcash価格高騰

上場ニュース後、Zcash価格高騰

この情報が流れた後、一気にZcash価格が高騰しました。

Zcashとは

Zcash(ジーキャッシュ)とは、匿名通貨と呼ばれる仮想通貨で、時価総額ランキングでも上位に位置しており、他の匿名性仮想通貨と呼ばれる、モネロ(monero)やダッシュ(dash)と比較しても、匿名性が高いと評判です。

ZcashはコンセンサスアルゴリズムがPOW、スローマイニングシステム、マイニング報酬だけでなくファウンダー報酬という投資家やZcash財団にマイニング報酬の10%が割り振られる特徴をもつ仮想通貨です。

1000種類以上ある仮想通貨の中でも上位15位くらいを占め、コインチェックなどでも取り扱われています。

▼詳細はコチラ▼

匿名性の高さゆえにマネロンの手段にも

匿名性の高さゆえにマネロンの手段にも

モネロと並ぶ匿名性の高さをもつZcash。
その特徴のため、過去、マネーロンダリングなどの温床にもなってきました。
ダークウェブのやりとりなど闇の経済の一端を担うとも言われています▼

さらに、▼

Zアドレス化により、匿名性はより高くなります。
ただ、もしかしたらこれを踏まえての上場かもしれません。

なぜかというと、Zcash上場後の取扱いは次のようになるからです▼

今回の上場時ではZcashの取引所への入金時ではシールドとアンシールド(シールドは匿名アドレス・アンシールドは透明性を持つ)の両方が利用可能だが、出金時では透明性を持つアンシールドアドレスのみが利用可能となる予定だ。

これはマネーロンダリングに関する法令を遵守するために行われる施策と考えられる。

「入」か「出」か、どちらかを押さえておけば、その後の追跡もしやすくなります。

匿名性が高くとも、あえて信頼のおける取引所に上場させることで管理しやすくなるかもしれないのです。

NY州規制対象の仮想通貨取引所で上場できたことの意味とは

そして今回、何よりも注目したいのが

「仮想通貨規制のとりわけ厳しいNY州で」
「自主規制を行い、すでに正式な認可をNY州から得たGeminiで」
「匿名性が高く、マネロンへの利用も多いZcashが」

上場できた、と言う事実です。

NY州は今年に入り、域内に拠点をもつ仮想通貨取引所に対し書簡を送付。
その業務の詳細な情報について提供を求めたことで知られています。

ニューヨーク州のエリック・シュナイダーマン司法長官は、「Virtual markets integrity initiative 仮想通貨市場の誠実性問題への取り組み」に踏み切った。
情報を求められた取引所には、コインベース、ビットフライヤーUSA、ポロニックス、ジェミニトラスト、itBit トラスト、GDAXなどが含まれる。所有者、責任者、取引ポリシー、手数料、内部制御、プライバシー、対マネーロンダリング対策などが含まれる。

日本では、コインチェックを傘下に収めたマネックスGが、金融庁のホワイトリストに載っていない仮想通貨(匿名性の高いモネロやZcash)の取扱いをやめることを明らかにしています。

NY州やGeminiの意図としては、もしかしたら次のようなものがあるかもしれません▼

今後の規制の”あるべき”方向

筆者自身、「金融庁の匿名通貨排除」は有効だと思っていました。
しかし、今回のGeminiでの上場、そして次のTweetを見て、「排除は必ずしも有効と言いきれるか」と疑問を持ちつつあります▼

「危ないものは排除せよ」___これが日本の行政の対応の仕方の基本です。
しかし、過去の禁酒法などが証明しているように、「魅惑的なもの」は、闇に追いやったとしても、その闇の中で経済が成長します。
かつ、その法のスキをついて、さらに闇の中で犯罪やテロの資金が膨れ上がることも。

ならば「あえて上場させ」、そして管理をする。

本来の規制のありかたは、排除ではなく「取り込んだうえでどう具体的に対処するか」なのかもしれません。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。