金融機関が注目する仮想通貨トレーディング、今後も続く見込み

金融機関が注目する仮想通貨トレーディング、今後も続く見込み

昨年アメリカでビットコイン先物が開始しました。
そしてつい最近、大手金融機関ゴールドマンサックスが仮想通貨のデリバティブ取引を開始することをが明らかに。

今後も、この流れを受け、他の金融機関も状況やタイミングを見て、仮想通貨関連事業に参入してくることが予想されます。

▼米VCは「GS以外の金融機関も今後仮想通貨事業に参入する」との見解▼

ただし、仮想通貨”そのもの”を売買するのではなくあくまでも派生商品にとどまる

ただし、仮想通貨”そのもの”を売買するのではなくあくまでも派生商品にとどまる

金融機関(特に投資部門)が次々と仮想通貨トレーディングに参入するのは、そのリスクの高さにあります。
投資は基本的にリスクとリターンが比例するもの。
なおかつ、参入を検討する金融機関の多くは投資部門の成績低迷や赤字などが背景にあります。
これを解消すべく、ボラティリティの高い仮想通貨関連の金融商品を開発・販売をしているわけです。

仮想通貨そのものの投資事業の検討も行われている可能性もあります。
ただし、それは一筋縄ではいきそうにありません。

と、いうのも▼

ビットコインの直接取引を追加する場合には、次に解決しなければならない問題はカストディ(保管・管理)だろう

カストディとは

カストディとは「保管」を意味し、有価証券投資の際に、証券の保管、管理を行う業務のこと。カストディ業務を行う機関はカストディアンと呼ばれ、カストディアンの役割は、証券の保管業務だけではなく、元利金や配当金の受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理等多岐にわたる。
儲かっても管理業務が整っていなければ意味がない

儲かっても管理業務が整っていなければ意味がない

仮想通貨そのものの資産運用で利益が出たとしても、肝心の仮想通貨が盗難されたりしてしまえば意味がありません。
また、個人情報の管理も重要課題です。

管理・保管への意識が甘かったからこそ、今年のコインチェック事件が発生することにつながりました。

▼この金融庁の姿勢も、交換業への管理・保管をより強化していくためのものですよね▼

金融庁の動きは仮想通貨カストディの強化を促すものですが、すでに他の仮想通貨に着目しているメディアや専門家も指摘しています▼

より洗練された仮想通貨投資家にとって大きな障害の1つは、資産を保管する第三者機関が存在しないことです。
ウォレットと取引所は依然としてエコシステムの最も脆弱な部分だけに、伝統的カストディアン、フィンテックカストディアンのいずれにとっても、問題の焦点はこれらの資産の保護預かりとなるでしょう。

アメリカでは仮想通貨長者としても知られるウィンクルボス兄弟がしばしば仮想通貨ETFの申請を行っていますが、米SECによりすべて却下されています。
その理由の一つも、この「カストディ」への懸念があります。

仮想通貨に投資するファンドは、どうやってカストディアンを設定するのか? 現在、仮想通貨をキープできる信託会社は存在しない。
また仮に仮想通貨のカストディアン・サービスが開始された場合でも、そこに保管された仮想通貨の所有者として投信会社がプライベート・キーを通じて所有権をちゃんと主張でき、記録できることは未知である。
またカストディーに対するハッキングが起きた時の対応は未知である。

Coinbaseは仮想通貨カストディアン業務を開始

米Coinbase、昨年11月にカストディアン業務を開始

米Coinbase、昨年11月にカストディアン業務を開始

この流れを読んだためでしょうか。
米大手仮想通貨取引所Coinbaseは昨年11月にカストディアン業務を発表しました。
ただし、対象は機関投資家に限られます。

『Coinbase Custody』は機関投資家向けの仮想通貨金庫で、最低1,000万ドルの資本を持っている大手期間のみを対象にしており、10万ドルのセットアップ料が必要になります。
90億ドルの仮想通貨資本を管理しているCoinbaseは、巨額の仮想通貨を管理する能力を十分に証明してきました。

このような仮想通貨カストディアン業務はまだごく一部です。
アメリカでは1940年の投資会社法ではファンドは顧客資産をカストディアンに預けることで資産保護を行うことが規定されています。
見方を変えるならば、カストディアン業務がきちっと行えることが実績などで証明できたらETF上場も夢ではなくなる可能性があります。

まとめ

堅固な保護預かりを伴うセキュリティの強化は、業界にとって重要な一歩となります。
仮想通貨も金融商品と同等の扱い

仮想通貨も金融商品と同等の扱い

見方を変えるなら、手数料や取扱い仮想通貨の種類が競争のカギだった取引所の差別化の要素の一つが管理・保護機能になるのかもしれません。
国の規制を完全にまぬがれて生き延びる取引所は僅少になることが予測されます。
どの取引所もBinanceやOKExのように、「気軽に海外に拠点を移動」するわけにもいかないでしょう。

また、業態として、取引所ではなく管理・保護機能だけを行う仮想通貨ビジネスが増えていく可能性もあります。
資産のほとんどが仮想通貨というひともめずらしくありませんし、またそういう人を専門にアドバイスをするコンサルティングも増えていく可能性もあります。

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鈴木まゆ子 / 4669 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。