金融庁は10日、仮想通貨の規制のあり方や現行法の問題点などを議論する研究会(座長・神田秀樹学習院大院教授)の初会合を開いた。証拠金を使った仮想通貨の取引や仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)に関して議論した。

これまで仮想通貨については「育成」「自主規制」方針で来た金融庁。
しかし相次ぐ盗難やダークサイトでの利用、マネーロンダリングなどの問題やコインチェック事件のような大量流出問題などにより、「規制」を中心に議論するべきフェーズに来ました。

仮想通貨の諸問題について検討するための初会合を開催。会合には、仮想通貨や金融、法律に詳しい有識者が集まりました。

会合の参加メンバー

元日銀の岩下直行先生の他、「アフター・ビットコイン」の著者としても知られる中島真志氏もメンバーに加わっています。

仮想通貨取引の現状

また今回の会合では、2017年までの取引状況に関するデータが明らかにされました。
これまで具体的な数字がほとんど表に出ることがなかったので、非常に貴重な資料だと言えます。

「レバレッジ効かせたい人ばっかりだから仮想通貨が乱高下するんだ」「高騰はICOのせい」

上記のデータを見て分かるように、仮想通貨取引における現物取引は2割以下になっています。価格で見ると現物取引はレバレッジ取引の4分の1以下です。

ここ最近、仮想通貨価格が低迷していますが、この背景には、各取引所が現在行っている「クレジットによる購入停止」なども影響している可能性があります。

会合では、委員からICOに関し、「仮想通貨高騰の震源地だ」との意見が出た。新たに発行される通貨を手に入れるため、既存の通貨を購入する必要があり、ICOでは需要が高まりやすいという。
投資家が担保として預けたお金の数倍以上の資金を動かせる証拠金取引の拡大が、仮想通貨の投機的な動きや価格の乱高下を招いているとの指摘もあった。
証拠金取引では、レバレッジ倍率を20―25倍とする業者が多い。会合では、投機的取引を抑制するため、倍率の引き下げを求める声が上がった。

コインチェック事件の再発防止及び登録制度について

コインチェック事件に関連して、研究会のメンバーからは、業界団体ではなく金融機関などが会員となっている金融情報システムセンター(FISC)が中心となって安全基準を作るべきだとの指摘が出た。
登録制の導入前から仮想通貨交換業を営んでいた事業者のうち、金融庁に未登録の「みなし業者」について、登録の期限を設けるべきだとの意見もあった。

ICOに関する議論も行われる

議論の対象となったのは既存の仮想通貨の取引についてだけではありません。
昨今新たな資金調達の手段として注目を浴びているICO(イニシャル・コイン・オファリング)についても議論がなされました。

ICOの仕組みの理解に始まり、ICOをどの法律で規制すべきかについての検討が行われた模様です。

金融庁はICOについて「仕組みやトークン(証票)の性質によっては、資金決済法や金融商品取引法の適用対象になる場合がある」などと指摘した。
ICOの計画書(ホワイトペーパー)での情報開示の義務づけや当局によるモニタリングの提案も出た。

今後の議題

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鈴木まゆ子 / 4317 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。