コインチェック買収に踏み切ったマネックスGの腹の内とは

コインチェック買収に踏み切ったマネックスGの腹の内とは

コインチェックを完全子会社化したマネックスグループ。
コインチェックにとってのメリットや安心感などが中心に語られることが多いのですが、マネックス側にも事情があります。

今回は、買収側のマネックスGの事情についてまとめてみました。

マネックスグループの業績はネット証券大手の中で最小

マネックスの収益面の焦りも大きいとみられている。ネット証券大手5社の中で株式売買仲介のシェアが最も小さい
高コスト体質が利益を圧迫するマネックス

高コスト体質が利益を圧迫するマネックス

過去の業績を見ていくと、売上は大きく下がらないのですが、営業利益、税引き前利益、純利益が大幅に下落しています。
営業利益に関しては、2017年3月末決算では、3年前の2014年3月末決算の14分の1となりました。

商品ラインアップの拡充などを図ってはいるものの、それに伴う証券基幹システムの二重化によりコストがかさんでいることなどが影響しているものと思われます。

■参考:マネックスグループ業績報告(2018年)

仮想通貨取引業はやりたい、でもコストはかけられない

仮想通貨交換業への参入に関しては、自社で設立したクリプトバンクの登録申請の認可に時間がかかる見通しだった。
マネックスグループがコインチェックの買収を検討する背景には、顧客基盤やシステム、運営ノウハウなどを一気に取り込み、“時間を買う”ねらいがあるとみられる。

業績が落ち込む中で新たに登場した「仮想通貨投資」。
当然ですが、マネックスも他社と同様、参入を考えていました。

しかし、新たに仮想通貨事業を立ち上げる行為は、さらなるコストの引き上げとキャッシュの圧迫を引き起こします。

そこで出てきたのが「コインチェックからの提携もちかけ」でした。

コインチェックだけで口座数は170万にのぼり、これはマネックスが20年かけて築き上げてきた口座数とほぼ同規模だ。日本全体を見れば、円建てのビットコイン取引のシェアは、世界でも首位を争うほど多い。

世界有数の規模を誇るコインチェックを買収すれば、時間的・経済的コストを低減したまま、圧倒的なシェアがそのまま手に入ることになります。
また、やりようによっては、証券の市場をさらに広げることにもつながるかもしれません。
仮想通貨の投資家をそのまま証券やFXにとりこめばいいだけの話なのですから。

マネックスグループは、買収するコインチェックの金融庁への仮想通貨交換業者の登録とサービス再開を、今後2カ月程度で行うことを明らかにした。

「訴訟リスクがある」とは言われているものの、実際の訴訟リスクはあまりもんだいではなく↓↓↓↓

これにより、大幅なコスト削減が実現したと言えます。

証券の世界もブロックチェーンが必須

マネックスの証券取引サービスのみならず、世界中の証券取引がブロックチェーン上で行えるとの未来像や、世界的な証券会社のコンソーシアム(共同事業体)のような構想も念頭に置いている

また、証券の世界でもブロックチェーンの必要性が高まっています。
というのも、売買にかかわる一つ一つの取引の確認作業に膨大なコストがかかっていたからです。

これを省略し、効率化する手段として着目されていたのがブロックチェーンでした。
うまく活用できれば、手数料を引き下げることにつながります。

ブロックチェーンはシステム構築のコストが安いことに加え、情報を参加者で同時に共有・確認できるのが特徴だ。これを利用して約定照合で業界共通のシステムを構築すれば、やり取りの頻度が激減し、ミスも減ると見込む。事務コストが下がれば、投資家が支払う手数料が下がる可能性がある。

会社ごとの事情だけでなく、証券業界全体の問題も高コストにつながっていました↓↓↓↓↓

証券会社や清算・決済機関などをつなぐシステムが各社バラバラで「スパゲティのように絡まり効率が悪い」(取引所関係者)という古くからの課題がある。約定照合で共通の規格やシステムを構築できれば、他業務で連携も進むとの期待も業界内にある。

証券業界ではこのブロックチェーンの活用に関する実証実験を昨年秋から行うようになりました。
今年の春からは資産運用会社やシステム会社も交えた実証実験に移行し、実現に向けたルール作りなども協議することとなっています。

「世界的な金融のコンソーシアムを」

「やる以上は当社の金融取引がブロックチェーン上でできる、というだけでなく、日本や世界中の株式取引や債券、投資信託などの取引がブロックチェーン上で安全にできることに意味があります」
「そうした新しい世界を当社がリーダーとなって作るのは、夢というかビジョンではありますが、実際はそんな簡単なことではない。他の会社がそれを実現するかもしれないし、そこまで大きい話だと1社の問題でなく、世界的な証券会社のコンソーシアムみたいなものでブロックチェーンを作っていくことになるかもしれない」

仮想通貨業界の一大事として語られることの多い今回の買収劇。
しかし、視点を変えれば、証券業界にも大きな変革をもたらすことになるわけです。
実際に、「仮想通貨の方が証券よりも利幅が大きい」と乗り換えた層も少なくありません。
また、証券業界が仮想通貨業に進出することで、ブロックチェーンの研究や実験もより行いやすくなります。
その結果、これまで証券業界のさらなる効率化が進み、より投資家層が広がるかもしれません。

今回の買収劇は、仮想通貨業界だけでなく、他の金融に対しても大きな波紋を広げていると言えます。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。