北欧のノルデア銀行、「行員は仮想通貨取引してはダメ」

北欧のノルデア銀行、「行員は仮想通貨取引してはダメ」

世界的な仮想通貨規制の風潮が強まる昨今、北欧のノルデア銀行が、行員に対し、仮想通貨取引禁止令を出しました。

投資目的であるかないかを問わず、仮想通貨の購入そのものを禁止する内容です。

スウェーデン・ストックホルムに本部を置き、北欧諸国を中心に事業を展開する金融グループであるノルデア銀行は、ホールセール銀行業務担当の従業員3800人を対象としてビットコインや他の仮想通貨への投資を禁じたことが銀行の報道官により明らかになっている。

実際の禁止の実行は2月28日からですが、通知はすでに行われている模様です。また、すでに取引を行っている行員については移行条項を設けたり、禁止に例外規定を設けるなど、「禁止の強制」ではないとのことです。

ノルデアの取締役会は仮想通貨市場の「規制のない性質」を理由に禁止を決めた。
広報担当者は「リスクが高すぎるとみられているほか、同僚や銀行双方にとって保護が不十分」と指摘。
スウェーデン金融監督庁は仮想通貨禁止を容認

スウェーデン金融監督庁は仮想通貨禁止を容認

このノルデア銀行の決定に対し、スウェーデンの金融監督庁は容認しています。他の企業が今回のノルデアと同様の仮想通貨取引禁止令を従業員に出したとしても、容認する構えを見せています。

スウェーデンの中央銀行総裁は昨年12月に「ビットコインは危険」という発言をしています。

禁止に踏み切った背景とは

表向きは「投機性が高い仮想通貨投資を続けることで、行員の資産や銀行の財産に悪影響が及ぶおそれがある」ということが理由として挙げられています。
しかし、それ以外にも理由があるようです。

理由1:銀行信頼保持のため

行員たちが投機的な投資のポジションを取ったり、あるいは財務的損失のリスクにさらされた結果、金融業界の人間としての立場に影響を及ぼすおそれが生じたりしないよう、行員たちの個人口座取引を制限することは、銀行業界全般で広く行われている。

It is widespread practice across the banking industry to restrict the personal account dealing of staff to prevent them taking positions in speculative investments, or which might expose them to a risk of financial loss and therefore impact their financial standing.

行員の投資に対する制限は厳しいことが多い

行員の投資に対する制限は厳しいことが多い

銀行は人の資産を預かる機関です。
いいかえると、預かる側の気持ち一つで「いつでも横領可能」ということになります。

そしてその気持ちとは、その人の精神状況です。
精神状況は、資産の状況に左右されます。

つまり、感情が揺さぶられやすい投資ほど、行員のコンプライアンスが危うくしやすいと考えるのです。
事実、過去の横領事件は個人のギャンブルや借金が理由で行われていることが極めて多いのです。

日本では、銀行行員については、以下の投資は禁止されていることが一般的なようです↓↓↓

・先物

・FX

・株式投資

先物とFXについては、そもそも口座開設が不可能です。
また、株式投資は禁止はされていないものの、勤務先の銀行に対して事前報告が必要です。

現時点では、仮想通貨は銀行によって規制はされていないようですが、認知度がさらに広がり、かつ、世界的かつ日本国内での規制のムードが高まれば、これも行員の取引制限対象に入るかもしれません。

ノルデア銀行では仮想通貨関連金融商品を顧客に勧めていない

ノルデア銀行では仮想通貨関連金融商品を顧客に勧めていない

また、ノルデア銀行自身の営業方針も関わっているようです。

同社では、顧客に対し、仮想通貨への投資や仮想通貨関連の金融商品への投資は避けるように伝えている。しかし、「ナスダックのようにすべての有価証券の売買にアクセスできる場所」を提供している。つまり、一部の顧客は、取引所のようなプラットフォームで仮想通貨は制金融商品を購入することができてしまっている。

While the company advises customers against investing in virtual currencies and related financial instruments, it ”provides access to trade all securities listed on, for example, Nasdaq,” meaning that some clients can purchase cryptocurrency derivatives ”through the platform.”

理由2:Eクローナの導入への準備

世界でも有数のキャッシュレス国家といわれる同国中央銀行(Riksbank)は、今後2年以内に自国のデジタル通貨である「e-Krona」の導入を検討していることが足元では伝わっており、今回の北欧大手金融グループによるこのような規制の動きは、「e-Krona」導入に向けた動きの一環としても捉えられよう。
eクローナの導入など、自国仮想通貨の導入を検討する北欧

eクローナの導入など、自国仮想通貨の導入を検討する北欧

自国仮想通貨の導入を前にしているならば、ビットコインなどの仮想通貨の使用を制限したくなるのも無理はありません。
現時点では、邦貨と仮想通貨は相いれないものです。
仮想通貨の普及が広まれば広まるほど、通貨コントロールがしにくくなるとも言われています。

銀行の行員が仮想通貨に夢中になって、邦貨や今後の国の仮想通貨を軽んじていては、国の金融政策にも影響が出るでしょう。

これとは対照的に、デンマークに拠点を置く最大手の金融グループDanske 銀行A/Sは、クライアントの仮想通貨取引を認めていない。さらに、同社広報担当のKennis Leth氏によれば、スタッフに対しても仮想通貨の取引をしないように助言しているが、従業員に対して禁止を強制するまでには至っていないとのことだ。しかし、同氏はこうも言っている。

「銀行はこのような従業員への禁止を導入する可能性を測っている」

By contrast, Danske Bank A/S, the biggest financial group based in Denmark, does not allow its clients to trade digital assets. Furthermore, while it advises its staff against trading in cryptocurrencies, it has yet to introduce a hard ban on the employee side, according to company spokesman Kenni Leth. However, Leth revealed, the bank is weighing the possibility of introducing such a prohibition.

今回のノルデア銀行の禁止は、仮想通貨規制報道の影響と言うよりも、どちらかというと、銀行としてのコンプライアンス重視の視点が大きいように思います。
とはいえ、現在世界中で沸き起こっている「仮想通貨への規制」論もそもそもは仮想通貨の市場が何ら規制されておらず、ゆえに詐欺や犯罪に巻き込まれたり、あるいはボラティリティの高さゆえに個人の資産がむしばまれる恐れがあることから端を発しています。これを考えると、この禁止令も、元をたどれば「仮想通貨市場が無法地帯だから」こその危険性を憂慮したからとも言えます。

逆に言うと、法による規制が整えば、仮想通貨が顧客にも従業員にもOKを出せる金融商品になりうるということでもあります。
規制が禁止一点張りではなく、市場の発展と社会への貢献につながるものであることを願うばかりです。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 17015 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。