
取引所で相次ぐ「仮想通貨が盗まれた」|問われる取引所の姿勢とは
ここ数カ月で「取引所においといた仮想通貨が盗まれた」という案件が続発しています。「安全」「保証」の言葉があったとしても、あまりアテにならない模様です。とはいえ、仮想通貨の売買において取引所の存在は重要なインフラです。今後の取引所としての課題について書いてみました。
【拡散規模】
コインチェックに不正アクセスされ、二段階認証を破られ、4000リップル 盗られました。
運営に問い合わせると、保証制度は調整中、二段階認証は不正アクセス者が設定したものであるとの回答です...
二段階認証がなぜ破られたか?についてはいまだに原因が不明です。
一部では「これが原因なんじゃないか」というコメントがされています↓↓
2段階認証を設定したってのは、いわゆるソーシャルハッキングや別サイトの流出パスワードでCCにログインを試行した後、2段階認証の設定を確認したらGmailにログイン試行して、ログインできたら2段階認証の再設定を実行しているんじゃないかな
横からすみません。メールアドレスに侵入されたとしても、2段階認証を設定しているCCのアカウントにログインって可能ですかね?本人のスマホがなければワンタイムパスワードが取得できないかと思うんですが。
私の知人は、コインチェック登録時に送付した写真を送ることで、二段階認証を突破されたらしいです。
その写真は本人も持っていないものらしいです。もちろんクラウドにも。。。
また、去年12月には、Zaifでこのような事件もありました↓↓↓
詳細はコチラ↓↓
出典:仮想通貨取引所『Zaif』に740万円くらい預けていたら残高が40万円に 社長が登場「そんな取引見当たらない」 | ゴゴ通信
保証を言われてもアテにならないのが現在の取引所なのか?
ユーザーアカウントへの「不正ログインにかかる損失補償」
当社は、運営する仮想通貨取引所「Coincheck」にて二段階認証を設定しているユーザーアカウントを対象に不正ログインされたことによって被る損害を補償いたします。
ユーザーは、二段階認証の設定をすることにより不正ログインによる被害の可能性を未然に防ぐとともに、万が一不正ログインによる被害が発生した場合においても、コインチェックによる補償を受けることが可能です。
補償対象は、「Coincheck」のユーザーアカウントに不正ログインされたことによってユーザーが被る、いわゆる「なりすまし」による損害です。
なりすましによる損害については、1回の請求で最大100万円を補償額と致します。
以上のように損害補償対象のユーザーは
「二段階認証」を設定している人を限定
で補償を行うというものです。
ただし、1回の請求で最大100万円まで補償されるこのシステムについては、コインチェックは2017年12月時点で検討中となっていました。発表されたのは2017年6月です。
そして、昨晩のツィートによれば、この保証は現在も調整中であり、対応してもらうのは難しそうなのです↓↓↓
本日は保証制度に焦点を当てて問い合わせ致します。回答がありましたらまた投稿致します。
ビットフライヤーとコインチェックはそれぞれに保険会社と提携する旨発表していた
出典:仮想通貨の補償保険「国内初」2取引所が導入|ビットフライヤー、コインチェック利用者獲得に拍車 | 仮想通貨まとめ
これを信じて取引所に登録した投資家も少なくないと思います。
しかし、発表しながら「対応未済」となれば「期待だけ持たされて裏切られた」という結果になります。
これが、投資の結果の損失ならまだ分かります。なぜなら投資は自己責任だからです。
そして、取引所がそもそも安全性をうたっていないなら、そこでの自己管理もまたそれぞれの自己責任となります。
しかし、このように「発表」そして半年以上「検討中」はちょっと違うのではないかな、と感じます。
真に検討中で、投資家の誤解を招かない意図があるなら、発表そのものを控えるなり、あるいは検討中の旨をもっと大きく表示すべきなのではないでしょうか。
さらに、現在保険会社との調整がどのようになっており、どこまで進んでいるのか、なぜまだ実行できないのかを情報公開すべきです。
さらに、盗難に遭った投資家からの問いあわせについても、「回答できません」の一点張りにするのではなく、できないならできないなりに、なぜできないのか、できる対応としては何があるのかなど、誠意をもった回答があって然るべきです。

感想
価格の乱高下に目を奪われがちですが…実は仮想通貨の取引所はまだまだ「危険」です。
だからこそ、ハードウェアウォレットは厳重なパスワードで自分の仮想通貨を守る必要があります。それでも万全ではありません。
仮想通貨は、「一発で儲かる」可能性が高い一方で、「被害に遭う率が猛烈に高い」ものでもあります。
だからこそ、徹底しての自己責任なのです。
とはいえ、人間はもともと安心を求める生き物です。特に日本人はそうです。
既存の金融機関や有価証券などの取引市場が成長してきたのも、この人間本来の「安心」への欲求にこたえてきたという側面があります。
仮想通貨取引については、その新規性やボラティリティの高さ、将来性を謳うのと同時に、なによりも投資家への安心感を提供することが大事なのではないかと思われます。
多少のボラティリティを失っても、安心感が得られるならば、安心して投資に算入する人も徐々に増えてくるのではないかと思われます。
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鈴木まゆ子 / 8578 view

税理士・ライター。
2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。
しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。
そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。
何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。
こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。
Twitter: mayu_suzu8
この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。
2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。
ここ最近、「取引所に仮想通貨を置いておいたら盗まれた」という案件が相次いでいます。
昨晩も、このようなツィートが流れてきました↓↓