読者さんの友人が仮想通貨100万円分を不正ログインで盗まれたようです。
2017年7月、コインチェックで40万円ほどのビットコインをXRPに交換されて不正に送金さてしまった...と被害をTwitterで訴える方がいらっしゃいました。
仮想通貨盗難のリスクは常に存在する

仮想通貨盗難のリスクは常に存在する

このような事件は昨年年間を通して散見されました。
海外ではもちろん、日本でもめずらしくありません。

このような盗難に遭った場合、税法的に対処のしようはあるのでしょうか。

税金上の対策で考えられる「雑損控除」とは

災害や盗難の場合に使える「雑損控除」

災害や盗難の場合に使える「雑損控除」

所得税では、災害や盗難に遭った場合、「雑損控除」という所得控除を使って被害にあった財産の一部について税金を低く抑えることができることとなっています。
その内容については次の通りです。

災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。

災害又は盗難もしくは横領…とありますが、具体的には以下のとおりです。

1.震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
2.火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
3.害虫などの生物による異常な災害
4.盗難
5.横領

「仮想通貨が盗まれた!」は「4.盗難」に該当しますね。
横領は、預かっている他人の物をそのまま自分のものとしてしまうことです。
取引所がもし投資家から預かっている金銭をそのまま自分のものとしてしまったら、この横領に該当することになります(2014年のマウントゴックス事件なんてまさにこれですよね)。

ただし、詐欺は上記に該当せず、雑損控除は使えないことになります。

適用要件はどうなってる?実はここでひっかっかる

適用するための要件は次の通りです。

 損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまること。

(1) 資産の所有者が次のいずれかであること。
イ 納税者
ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者。

(2) 棚卸資産若しくは事業用固定資産等又は「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。

(注) 「生活に通常必要でない資産」とは、例えば、別荘など趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で保有する不動産(平成26年4月1日以後は同じ目的で保有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権など)も含まれます。)や貴金属(製品)や書画、骨董など1個又は1組の価額が30万円超のものなど生活に通常必要でない動産をいいます。
盗まれた仮想通貨とはいえ事業所得や雑所得の必要経費に算入してる

盗まれた仮想通貨とはいえ事業所得や雑所得の必要経費に算入してる

(1)の要件は、ほぼどなたでも問題ないかと思います。

さてここで引っかかるのは、(2)です。


なぜかというと、盗まれた仮想通貨の取得価額は事業所得または雑所得の「必要経費」に算入されるからです。

損益の計算の際に用いているのに、さらに雑損控除を行ってしまうと、二重で費用(控除)を計上していることになり、不当に税金を安くすることにつながります。

赤字や所得ゼロなら問題ないのか?

赤字や所得ゼロならどうなる?利確していなかったら?

赤字や所得ゼロならどうなる?利確していなかったら?

では、事業所得計算上赤字だったり、雑所得がゼロになった場合はどうでしょうか。

結論から言うと「それでも難しいのでは」というのが私の意見です。

というのも、赤字も雑所得ゼロも「盗まれた仮想通貨を取得価額に算入しているからこその結果」だからです。

「取得価額に算入せず、あえて雑損控除に」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それでも税務当局から見れば、適切に所得計算を行っていることにあたりません。

また、「利確していなければ雑損控除もアリではないか」と考える方もいらっしゃいそうですが、現時点で保有であっても、いずれは利益確定の作業が必要になること、そもそも事業所得OR雑所得の対象であること=どう転んでも一旦取得した仮想通貨は必要経費に算入されることから、これも難しいのでは…と考えます。

国税通則法第46条第2項による納税の猶予の可能性はあり

国税通則法第46条第2項による納税の猶予の可能性はあり

雑損控除は使えなくても、国税通則法第46条第2項の「納税の猶予」は、要件や手続きをきちんと満たせば可能ではないかと思われます。
ただし、要件が厳密なので、よほど困難とみられるのでは適用は難しいかもしれません。また、一定の書類の提出や担保の提供などが必要となります。

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鈴木まゆ子 / 6621 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。