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必要経費は節税の盲点になりやすい

必要経費は節税の盲点になりやすい

前回に引き続き、今回も仮想通貨の節税について解説します。
今回は「必要経費」について。

売買益(あるいは使用による利益)を算出するとき、必要経費としてまず真っ先に思い浮かぶのが「取得価額」です。

しかし、みなさんの多くの場合、「取得価額だけが必要経費」ではないかと思います。

なぜかというと、それなりに利益を出すためには、どの仮想通貨がいいのか勉強しなくてはなりません。
とすると、ネットで検索もするでしょうし、本を買って勉強もしますよね。
マイニングするならマイニング専用のボードやPCを別途購入します。

そんなわけで、実際には取得価額だけが必要経費とはならないのです。

おさらい:仮想通貨の所得の計算方法

所得税の所得の計算は、所得の種類ごとに細かく異なるものの、基本的には次のように計算します。

総収入金額とは

このときの総収入金額は、次のようなものが該当します。

・売却したときの仮想通貨の時価
・モノやサービス、他の仮想通貨や外貨を購入した時の時価

マイニングの収入に関して言えば、マイニングにより仮装通貨を受け取った時の時価が総収入金額に該当します。

「時価」というと、しょっちゅう価格変動をしているので、把握がしにくいこともあるかと思います。また、過去の時価が分からない…というケースも。
その場合は、1日の平均時価でよいかと思われます。
それぞれの取引所のチャートからその日の時価を検索してみてくださいね。

では必要経費とは…?

まず思い浮かぶのが「取得価額」ですよね。
取得価額については、次のように計算するよう、国税庁Q&Aで発表されています↓↓↓↓

取得価額の計算方法

問 仮想通貨を追加で購入しましたが、取得価額はどのように計算すればよいですか。

(1年間の仮想通貨の取引例)



3月 9日 2,000,000 円(支払手数料を含む。)で4ビットコインを購入した。

5月 20 日 0.2 ビットコイン(支払手数料を含む。)を 110,000 円で売却した。

9月 28 日 155,000 円の商品購入に 0.3 ビットコイン(支払手数料を含む。)を支払った。

11 月 2日 他の仮想通貨購入(決済時点における他の仮想通貨の時価 600,000円)の決済に 1 ビットコイン(支払手数料を含む。)を支払った。

11 月 30 日 1,600,000 円(支払手数料を含む。)で2ビットコインを購入した。


答 同一の仮想通貨を2回以上にわたって取得した場合の当該仮想通貨の取得価額の算定方法としては、移動平均法を用いるのが相当です(ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えありません。)。



① 移動平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額

上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、次の計算式のとおり3月9日時点で 500,000 円、11 月 30 日時点で 633,334 円です。



○ 3月9日に取得した分の1ビットコイン当たりの取得価額

2,000,000 円÷4BTC=500,000 円/BTC



~3月 10 日から 11 月 30 日までの間に 1.5BTC を売却又は使用~



○ 11 月 30 日の購入直前において保有しているビットコインの簿価

500,000 円 × (4BTC-1.5BTC)= 1,250,000 円

【この時点での1ビットコイン当たりの取得価額】【この時点で保有しているビットコイン】



~11 月 30 日に2BTC を購入~



○ 11 月 30 日の購入直後における1ビットコイン当たりの取得価額

(1,250,000 円+1,600,000 円) ÷ (2.5BTC+2BTC) = 633,334 円

【この時点での保有しているビットコインの簿価の総 額】【この時点で保有しているビットコイン】

※ 取得価額の計算上発生する1円未満の端数は、切り上げして差し支えありません。



② 総平均法を用いた場合の1ビットコイン当たりの取得価額上記(例)の場合の1ビットコイン当たりの取得価額は、次の計算式のとおり600,000 円です。

(2,000,000 円+1,600,000 円) ÷ (4BTC+2BTC ) = 600,000 円/BTC

【1年間に取得したビットコインの取得価額の総額】 【1年間に取得したビットコイン】

※ちっちゃい注意※

事業所得あるいは雑所得で計算する方の中には、取引所へのハッキングなどで仮想通貨が盗まれたといった方がいらっしゃるかと思います。
その場合は、取得価額に算入してもかまわないと思われます。
なぜかというと、節税対策③でお話する「雑損控除」との兼ね合いがあるからです。

参考:取得価額計算シート

参考:取得価額計算シート

ちなみに上記引用文の元となる会計事務所のサイトで取得価額計算用のエクセルシートが配布されています。ご参考までに↓↓↓↓

通常は、この取得価額の算定でもっとも労力を使うかと思われます。
終われば「はーっ、終わった」。

しかし、そこで必要経費は終わりではありません。
実際には次のようなものも必要経費に該当します。

取得価額「以外」の必要経費とは

では、取得価額以外でどのようなものが必要経費に該当するのでしょうか。
一言で言うと

「その売上(仮想通貨の売却)を作るのに『直接』必要となった支出」

になります。
具体的には次のようなものが該当するかと思われます。

■仮想通貨関連の書籍代
■仮想通貨関連のセミナー、ミートアップ、サロン、勉強会、イベントなどの費用(+往復交通費)
■仮想通貨関連のコンサル代、税務費用
■マイニングボード、専用PC、専用スマホ代(専用のものに限ります)

★通信費(インターネット代など)
★部屋代
★電気代
★仮想通貨取引以外でも使用しているPC代、スマホ代

■…全額費用計上可能
★…按分計算が必要(誰もが見て合理的かつ客観的な基準で按分しなくてはなりません。使用頻度や部屋の占有割合、時間割合などなど)

大事なポイント:売上に直接必要かどうか

大事なポイント:売上に直接必要かどうか

ここで注意したいのが「仮想通貨の売却益に直接必要な経費」ということです。
PCやスマホなど、いつも使っているのと別に完全仮想通貨取引のみで使用しているものがあるなら、仮想通貨取引のみの機器は全額計上してもよいかと思われます。
しかし、大半の人は、同一機器で、取引のかたわらYahooニュースを見たりツイッターを見たりLINEしたりすることと思います。
そのような場合は「専用」とは言えないので、時間などで按分しなくてはなりません。
ただ、厳密に時間を測る必要はなく、普段の生活を振り返り、「おおよそこれくらいかな」という基準を自分の中で明確に作ってください。それが外から見ても「妥当だな」と思えるラインならそれでOKです。あと、その基準を、今後、恣意的に変えた理しないことが大事です。

ハードウォレットについては、若干微妙です。税務当局としては「それ、ホントに売上作るために必要なの?」と言ってきそうな感じがあります。
しかし、ハードウォレットと売上の関連性を客観的かつ合理的に説明ができるなら、私は経費として落としてもよいように思います。実際に、取引所に仮想通貨を置きっぱなしにしていることは危険なわけですし。既に何件も盗難事件が発生しています。

必要資料はもれなく残しておくこと

必要資料はもれなく残しておくこと

按分などに関しては「自分の基準でいい」とはいえ、完全にそれっきりだとただの主観です。税務では主観や恣意を嫌います。なぜかというと適正な課税を実現できないからです。

そのため、按分の根拠となる資料を残しておくことがベストです。
また、前述のハードウォレットなどのように「判断が分かれそうなもの」に関しても、盗難の危険性や発生率を証する書類(ネットでのニュースや公表データでも構いません)を残しておく方がベターでしょう(絶対大丈夫、とは言いません)。

まとめ:節税は地味な努力がモノを言う

いかがでしたか?

何かにつけため息をつきやすい仮想通貨の所得計算ですが、ちいさなところを見逃さず、きちんと拾い出して計算することが節税につながります。
必要経費についても然りです。もしかしたら、人によっては高額セミナーに通ったことで、セミナー代の方が取得価額よりずっと高かった…なんてこともあるかもしれません。

節税というと、多くの人は、ものすごい裏技とか秘策とか、まるでサーカスか手品のようなものをイメージするものですが、、、実は違います。

「どれだけ、きちんと管理し、細かく配慮しながら全体を見渡せているか」という納税者本人の姿勢がイチバン大事なのです。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。