空前絶後の投機ブームを巻き起こしている仮想通貨。日本では、取引所がCMや車内広告を出すまでになりました。この熱狂ぶりはもちろん日本だけではなく、世界中で広がっています。

もともとクレジットカード文化が土台となっているアメリカでは、ついに自宅を担保にしてでも仮想通貨投資に一攫千金を夢見る投資家までも現れました。
こうした事態に国や自治体、団体などが注意を呼び掛けています。

北米証券監督者協会(NASAA)のジョゼフ・ボルグ会長によると、ビットコインの急成長を見た投資家たちは今や、価格変動が激しく不安定なこの仮想通貨を買うため自宅を担保にした借金をし始めているという。

NASAAは投資家保護を目的とする任意団体です。NASAAの会長によれば、自宅を担保にするだけでなく、クレカによる仮想通貨投資も行われているとのこと。クレカも借金ですよね。

「ビットコインを購入するために自宅を担保に入れるケースを、我々は確認している。……クレジットカードやエクイティ・ライン(住宅を担保とした与信枠)も使われている」

「今のこのチャンスにうまく乗れれば、一攫千金を当てられるかもしれない」
「もしかしたら、もう平凡な生活から抜け出して、好きなことだけをする生活になるかもしれない」
「老後の不安をかかえずに済むようになれるかも」


そんな希望や期待___いや、欲望が、人を仮想通貨に熱狂させるのかもしれません。

そんな事態に、NASAAだけでなく、資産運用のコラムニストや仮想通貨取引所の代表は警告を発しています。

仮想通貨取引所シェイプシフトの最高経営責任者(CEO)エリック・ブアヒーズも、こうツイートしている。
「仮想通貨を大量に保有し、さらに多額の借金も抱えているなら、仮想通貨が記録的な高値のうちに売り払い、借金を返済する(できれば完済する)ことを考えるべきだ。借金をしてまで今の価格で仮想通貨を買ってはいけない」。
コインベースのCEO、ブライアン・アームストリングも12月8日、オンラインメディアのミディアムに寄稿し、投資家に警鐘を鳴らした。
その中でアームストロングは、「仮想通貨の取引にはリスクがあることを、顧客には忘れてほしくない。デジタル通貨は不安定で、価格は上下する」と述べている。

そして、ワシントンポストの資産運用担当のコラムニストは、12月11日、「老後の資金作りでビットコインに投資していいのは、シートベルトをせずにジェットコースターに乗れる人だけ」と題した記事を投稿しました。

一般的な投資家、つまり、住宅ローンや奨学金ローン、クレジットカードの借金や失うわけには行かない定期的な仕事といったものを抱えているhち鬼とっては、ビットコインはかなりリスキーだ。これは投資と言うより、ギャンブルに近い。
投機的な投資をしても大丈夫な胃や失っても涙1つ流さないような現金を持っているのでなければ、距離を置こう。でも、私の言葉もあてにはしないで。

For the average investor, folks with mortgages, student loans, credit card debt or regular jobs they can’t afford to lose, bitcoins are highly risky — more akin to gambling than investing. Stay away unless you have the stomach for speculative investing and cash to lose your money without tears. But don’t take my word for it.

なぜ投資が過熱するのか?

投資という場面だけなら、他にも色々あります。
不動産投資や株式投資、FXや商品先物などなど。。。

ただ、これらの投資と比較しても、圧倒的に今注目を浴び、熱狂を巻き起こしているのは仮想通貨投資なのです。

この背景には、仮想通貨投資の今の在り方、そしてそこに引き付けられる人間の心理があるように感じられます。

背景①「今だけ、ここだけ、そして私だけ」

「保身をとるか?それとも今だけのチャンスにのるか?」

「保身をとるか?それとも今だけのチャンスにのるか?」

ビットコインをはじめとする仮想通貨が今や1000種類を超えると言われています。
ICOを含め、「うまくいけば10万円が1000万円に大化けするかもしれない」期待を抱かせるには十分です。

そして、その期待は、人が現状に不安や不満、足枷を感じていればいるほど大きなものとなります。

人は現状に不満足であればあるほど「一発逆転」を狙うのです。

(ビットコインを250ドルで買った)Fiegerman氏は、仮想通貨のボラティリティに関する記述の中で次のように述べている。

「ビットコインの価格が上がり続けるカギとなる理由は、(期待が)上がり続けているからだ。あなたのような小規模投資家はこんなにすぐ金持ちになれるチャンスを逃すのを本当に恐れている。そして、私のがそうだったように、あなたのビットコインの価値が1週間で2倍になったら、カンタンに『自分は天才だ』と思える。でも、急上昇すると期待し続けていると、突然価格が下落するかもしれない」

In writing about the volatility of the currency Fiegerman said, “a key reason the price of bitcoin keeps going up is, well, because it keeps going up. Small investors like yours truly have a fear of missing out on a chance to get rich quick. And when the value of your bitcoin doubles in a week, as it did for me, it’s easy to think you’re a genius. But you can get burned assuming it will keep skyrocketing.”

背景2:サーキットブレイカー制度がない

また、仮想通貨でよく言われるのが「価格変動の激しさ」。
仮想通貨の場合、株式などと違い、サーキットブレイカーが一般的ではありません(bitflyerは導入していますね)。

価格変動の過度な激しさは、刺激となって人の心理に大きく作用します。
さらに、仮想通貨市場は24時間365日稼働しています。
「やめたくてもやめられない」心理を生むのに十分な環境が整っているのです。

サーキットブレーカー制度(サーキットブレーカーせいど、英語: Circuit Breaker)とは、株式市場や先物取引において価格が一定以上の変動を起こした場合に、強制的に取引を止めるなどの措置を採る制度である。
株式市場などでは、売りが売りを呼んで下落が止まらなくなることがあり、値動きが一定の幅になったら取引を強制的に止めて、投資家に冷静になってもらう目的で設けられた制度である
1987年10月19日に、米国市場最大規模の暴落となった「ブラックマンデー」をきっかけに、ニューヨーク証券取引所で始まった[1]。このときは1日で株価が22パーセントも値下がりしたため、行き過ぎた下落を防ごうと考え出された[1]。日米欧や韓国などの先進国の株式市場は一般的に導入している

そして先ほども言ったように、「24時間365日市場が動いている」こともあり、人は熱中しようとすればいくらでも熱中できる環境が整っています。
特に日本の場合、ご飯はコンビニや外食で済ませることもできるし、仕事は自宅でやろうとすればできる環境にあります。つまり、カラダを動かして外に出なければならない必然的な理由が消滅しやすくなっているのです(その証拠にネットゲームでずっと家にこもっている人などもいます)。

リスクを覚悟しているならいいかもしれませんが、人によっては病気などを発症することにもなりかねません。

仮想通貨は光もあれば闇もある

仮想通貨の新しい参加者たちは、まだ弱気市場を経験していません。仮想通貨の不安定性は大いに緩和されていますが、以前として変動は起きており、他の資本と同様、いつでも急落する可能性があります。物件を担保として仮想通貨を買い、安定的に利益を上げられている人たちは報われます。しかし、全員が勝者になれる訳ではありません。

今は急上昇ばかりが注目されている仮想通貨ですが、暴騰もあれば暴落もあります。
そして実際、過去、何度も暴落してきました。
今後も暴落しないとは決して言えないのです。

そして実際に過去、仮想通貨以外でも「未知の投資でバブル」になったことは何度もあります。
仮想通貨が現在、市況が好調だからついうっかり忘れがちになりますが。。。

手段が変わっただけで起きる現象はいつの時代も同じなのです。


虎の子の財産をなげうってでも一攫千金を夢見る人、
そして投資で生活の基盤を失って、はじめて事の大きさに気づく人。。。

今から10年以上前になりますが、2005年頃からFXがブームになっていました。

私が株式投資を始めたのが2006年8月ですが、その頃にはすでに「FXで億万長者」「FXで財を築く」というような類の書籍は多く出回っていました。

2005年から円安方向に大きく進み、2007年の初頭では120円以上になっていました。

これにより、多くのFXトレーダーがドル買いで大きな財を築いたと言われています。
・FXで億万長者になりテレビに出ていた人
・FXで破産して声を変えてテレビに出ていた人

1人2人ではなく、何人も取り上げられていましたよね。マイホーム購入資金として積み立てていた貯金も使ってしまい、「主人に言えません」と泣きながら告白した主婦もいました。
宝くじに当たるより簡単に億万長者になれるかもしれないという誘惑から、リスクを忘れて、もしくは正しくリスクを理解せずに入ってしまう人が多かったのでしょう。
問題は億万長者になった大勝ち組の中からも多くの破産者が出たという点なのです。

また、これ以外にも、仮想通貨には、サイバー空間ならではの危険性が伴っていることを忘れてはいません。
みんながみんな、金融庁に登録しているような業者の取引所で取引しているわけではないと思います(取引所登録しているからと言って安心できるわけでもないのですが)。

サイバー空間は、リアルな空間以上に「目に見えない」「分かりにくい」からこそ、どんな危険が待っているか分かりません。
最悪、明日の朝、開いてみたら投資していた財産すべてが盗まれていた…なんてことも珍しくないのです。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 4428 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。