危険ドラッグのまん延が後を絶ちません。

先日10月30日、川崎市内で30億円相当の危険ドラッグが押収されました。
この取引はインターネットで行われていた模様。
そして、ビットコインがその決済方法のひとつとして採用されていた模様です。

川崎市の住宅で大量の危険ドラッグを所持していたとして6人が逮捕された事件で、男らはインターネットで危険ドラッグを販売する際、一部の客に仮想通貨「ビットコイン」で支払わせていたことが厚生労働省の麻薬取締部への取材でわかりました。麻薬取締部は、摘発を逃れるため匿名性が高い仮想通貨を使ったと見て調べを進めています。

年々まん延していく危険ドラッグ。
警察などが全力をあげて捜査・摘発した結果、2015年には1100件もの危険ドラッグを摘発することができました。
しかし、2016年には減少。
そして今年上半期は2015年の半分にも満たない件数しか摘発できていません。


これには、何が影響しているのでしょうか。

危険ドラッグなどの取引の現状

麻薬取締部によりますと、全国で危険ドラッグが原因の事故や事件が相次いだことを受けて、取締りや立ち入り検査が強化された結果、危険ドラッグを販売する店舗は平成26年の215から減少して、おととしにはすべての店舗がなくなり、現在はインターネットでの密売が主流となっています。

一言でまとめると

「警察や厚生労働省の厳しい摘発がかえって裏目に出てしまった」

ということになります。

当然ですが、捜査や摘発の主な対象は「分かりやすい」リアル店舗です。
そこを集中的に抑えれば、一気にクスリも関係者も一網打尽にすることができます。


しかし、時代はネット販売、そしてSNS全盛期です。
よりバレにくい、より安全な方法で危険ドラッグを取引するようになりました。

SNSなどで客と直接、連絡を取り合い指定した場所に危険ドラッグを届ける「デリバリー」など潜在化が進んでいるほか、発信元の特定が難しい特殊なソフトを使ってメールなどを追跡できないようにしたり、SNSのやり取りの証拠を隠すため一定の時間を過ぎるとメッセージが消えるアプリを悪用したりするケースが目立っているということです。
「摘発が厳しくなり販売する店舗はなくなったがインターネットの闇サイトや規制が厳しくなる前からつながっている客とのパイプを使って供給されているのが実態だ。
ほかの業者はまだ残っていて業者が存在する限りまだ売れ続けると思う。
今回摘発されたケースは氷山の一角だ」

麻薬取引や危険ドラッグ摘発の際、必ずTV画面に登場する厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部の瀬戸晴海部長は、次のように述べています。

「危険ドラッグの事件は複雑化・巧妙化している。さらに今回の事件は海外の犯罪組織が関わっている可能性も浮上していて近年の薬物犯罪はボーダーレス化している。
国民の健康被害防止を第一の目的に情報収集や不正市場の監視、関係機関と連携しながら取締りを強化したい」

危険ドラッグ事件が見つかりにくい理由のひとつが「仮想通貨」

ビットコインが決済の一つとなっている

ビットコインが決済の一つとなっている

インターネット販売、SNSでの取引など、より取引がバーチャルに、当事者以外には分かりにくいようになっています。
決済も然り。実は、決済は銀行やカード以外に最近ビットコインが使われるようになってきたのです。

2017年になり一気に沸騰してきたビットコイン。
導入店舗も増えてきましたが、それは太陽の下で堂々と営業できるところばかりではありません。
むしろ、闇の中の取引こそ、その匿名性が重宝されるのです。

過去、こういった「ビットコイン×危険ドラッグ」の事件もありました↓↓

インターネット上の仮想通貨「ビットコイン」を対価として、危険ドラッグを全国の客に密売していた18歳の少年らが、麻薬取締部に逮捕・起訴されていたことがFNNの取材でわかりました。
この密売グループは、18歳の少年が主導的立場にあったとみられ、インターネットで客を募り、危険ドラッグの対価として仮想通貨ビットコインで客に支払いを行わせ、約3500万円分を売り上げていたということです。

この事件が発覚したのは今年1月。
この頃は、ビットコイン価格が10万円になり、価格上昇傾向ではあったものの、まだ今ほど知名度があがっていない時期でした。
当時の麻薬取締部は「これは異例だ」との発言をしていました。

が、もはや「ビットコインで闇取引決済」は日本でも異例ではなくなってきたのです。

参考記事:海外の闇サイトでは仮想通貨決済が当たり前になっています↓↓

お金の流れを見えにくくする「ビットコインミキサー」

「だからビットコインは危険なんだ!」と、ここまで読んだアンチ仮想通貨の方はきっと叫びたくなることでしょう。

たしかに、ビットコイン取引は、金融関連の法律の縛りを受けた銀行が関与せず、第三者同士の取引であり、管理者がいないため、誰がどこで使ったかは見えにくいという側面はあります。

しかしその一方、「ブロックチェーン」というインターネット上で誰でも見られる台帳にすべての取引が記録されています。そのため、完全に匿名で追跡が無理ということはないのです。

むしろ、その匿名性をより高める何かがあるようです。

今回お金の流れを追跡しにくくするために使われた方法が「ビットコインミキサー」と言われています。

大石
「ビットコインミキサー」というのはビットコインの出所をわかりにくくするようなもの。複数のコインを集めてまぜこぜにして戻す。

例えば、皆さんが持っている百円玉を持ち寄って同じ箱にジャラッといれてガチャガチャ混ぜた後、また自分のところに同じ額だけ戻すとどのコインがどの人の手元にあったというのがわかりにくくなる。

こうした仕組みをビットコインでもすることができて、誰から誰に送金されたというのが見えにくくなるので匿名性を高められる。

では、ミキサーをみんな使うからビットコインを使われた時点でもうあきらめるしかないのでしょうか。
そこは個人よりも圧倒的なパワーをもった国家組織。
工夫と努力次第でなんとかなりそうです(予算との関係はあるけど)。

古市
そうすると、今後密売とか犯罪に使われる懸念を持つ人もいると思いますが、今後犯罪とビットコインの関係はどうなっていく?

大石
この問題はずっと昔から議論されてまして、実は「ビットコインが組織犯罪に利用されるリスクはそれほど高くない」というリポートがイギリスの財務省から2015年に出ています。理由としては、追跡が難しいといっても捜査機関が「ビットコインミキサー」を解析すれば原理的には追える。

匿名性があるので犯罪に利用されやすいと言いつつプロにかかれば捜査できてしまう。犯罪者にとっては諸刃の剣であり、捜査機関にとってはちょうどよくて、実は裏からチェックできる。

古市
現金の授受の方が誰からもらったという情報がない。それに比べたらビットコインの方がなんだかんだで追跡できるということですね。

大石
そして、今年4月からビットコインのような仮想通貨に関する法律が施行されました。これにより換金するときにすべて本人確認や身元確認をすることになり、一般的な犯罪対策のようなことが実際に行われているのでそこで捕捉できる。

古市
だんだんビットコインも制度も整備されてきて犯罪者も使いにくくなってるということですね。ビットコインは日本ではこれから普及していく?

大石
そうですね。今、非常にたくさんの人が口座を作ってます。4月1日の法律施行以降クリアになって、いままでのイメージよりも透明で法律に則ったものになったので多くの人が使ってくれるのではないでしょうか。
まとめ

まとめ

違法・脱法行為と取り締まりの関係はいつの時代も「いたちごっこ」です。
これは麻薬や危険ドラッグに限らず、ハッキングや個人情報の漏えい、更には脱税や租税回避などについても言えること。
そして年々、IT技術が高まっていくことで、より複雑化・巧妙化していっています。

難しいから諦める…といってしまっては、その被害がより国民の間に広まってしまいます。

そうではなく、技術に追いつくこと、研究すること、そしてしたたかになること。

行政予算が年々厳しくなる中での取り組みはなかなか難しいとは思いますが、少しずつでもこう言った姿勢を大事にしてほしい…と一国民として感じています。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 6909 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。