平成29年度税制改正大綱が明らかに

平成29年度税制改正大綱が明らかに

本日、平成29年税制改正大綱が明らかになりました。

税制改正大綱とは、翌年度の税制改正の法案を決定するのに先立ち、与党や政府が発表する税制改正の原案のことです。
通常、毎年12月半ばに発表されます。
政府が国会に提出する税制改正法案の元になります。

法案は、この大綱にのっとって作成されるため、会計士や税理士などの専門家が、これからの税制の流れを読み、対策を打つ上で非常に重要な位置を占めています。

参考:税制改正大綱とは

「仮想通貨の消費税非課税」が明確化

税制改正大綱の序章「基本的考え方」の「4.経済活動の国際化・ICT(情報・通信技術)化への対応と租税回避の効果的な抑制」の項目に次の一文が盛り込まれています。

(3) 仮想通貨の消費税非課税化

資金決済に関する法律の改正により仮想通貨が支払の手段として位置づけられることや、諸外国における課税関係等を踏まえ、仮想通貨の取引について、消費税を非課税とする

参考:平成29年度税制改正大綱(自民党HPより)

これまでの法改正及び議論の流れ

今年5月25日、改正資金決済法成立

マネーロンダリング防止や取引者保護の観点から、それまでただの「価値記録」でしかなかった仮想通貨が、Suicaなどと同様の「支払手段」として位置づけられました。
同時に、仮想通貨の取引所については登録制が設けられることに。

ただし、この時点では、まだ仮想通貨は「資産」としての位置づけに過ぎません。
しかしながら、それまで既存の法律では規定されていなかった仮想通貨の法的取扱いが決まったことで、仮想通貨の「貨幣」としての役割が認識され、消費税非課税化の可能性が一気に高くなったのです。

なぜ「支払手段」なのに「消費税課税」なのか

「支払手段…ってことはSuicaとか金券とか商品券と一緒でしょ?
Suicaも商品券も消費税が課税されないのに、どうして仮想通貨は課税されるの?」

そういう疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

実は、法律ごとに、取扱いが異なるからです。
そして、そのために、法律による矛盾(抵触)が生じることがあります。


本来、そういった矛盾が生じないように官公庁の担当部局で調整するのが筋です。
しかし、2014年のマウントゴックスの事件や世界的な潮流から、仮想通貨に関する犯罪防止や取引者保護の必要性が急を要していました。
だからといって、税制改正のタイミングを変えることはできません。
大綱発表は毎年12月と決まっているからです。

そのために、急ぎ資金決済法を改正し、関係者の保護や犯罪防止を行ったというわけです。

今年10月、仮想通貨の消費税非課税化に向けて調整に入る

今年10月、これまでの流れを受けて、財務省と金融庁が仮想通貨の取引に係る消費税の非課税化に向けて調整のための議論に入っていることが報道により明らかとなりました。

詳しくはコチラ↓↓↓

取引者保護のために、今年春、資金決済法が改正され、仮想通貨もプリペイドカードなどと同様の支払手段として位置づけられた。しかし、仮想通貨についての法整備が行われたのは、この資金決済法のみであり、消費税法上は相変わらず「資産」として位置付けられ、8%の消費税がかかっていた。
「支払手段なのに、なぜ、プリペイドカードや外国通貨のように売買の際の消費税が非課税とならないのか」。これは、消費税の構造上にその理由がある。
消費税は、国内において事業として行われる資産の譲渡や貸付、サービスの提供について課されるのが原則だ。通常、年間売上高が1000万円を超えると、翌々年から消費税を納めなくてはならない。
ただし、さまざまな事情により、一部非課税とされたり、輸出免税として実質的に消費税が課税されないことがある。
ここで注目したいのは「非課税取引」だ。
消費税の非課税取引とは、無数にある商取引の内、障害者の車いす販売や教科書販売など、その売買の目的や性質を鑑みると消費税を課する際に社会的配慮が必要だったり、消費税課税がなじまないものがあったりする。
これについては、要件を限定列挙し、事業者はその売上高に消費税を課税したり、納付したりしないこととされている。
消費税の非課税項目

消費税の非課税項目

仮想通貨を考える上で注目したいのは、「支払手段の譲渡」です。
この中に、仮想通貨が入るものと思われます。

ただ、この場合、他の法律による位置づけも必要です。
そのため、もしかしたら、仮想通貨の取引所についても、他の一般の金融機関と同様の扱いとなり、法規制が今以上に増えるかもしれません。

消費税非課税化に伴う仮想通貨のこれからの規制の可能性

第一に規制の可能性が考えられるのが、「国外送金等調書」の作成です。
国外送金等調書は、国内から送金、あるいは海外から送金があった場合に、
その1回の送金金額が100万円を超える場合には、金融機関を通じてその送金内容の詳細に関するレポートが自動的に税務署に届くというものです。

このレポート提出が義務付けられているのは、銀行などの金融機関となっていますが、これに仮想通貨取引所も含まれるようになるかもしれません。

だとしたら、第三者介入のない仮想通貨の送金のメリットが薄まることになることにつながります(手数料は無料あるいは格安だとしても)。

まとめ

消費税が非課税になることは、消費税の二重課税の排除といった取引者にとってのデメリット払拭につながります。
したがって、今後ますます、仮想通貨市場の成長は見込めるでしょう。

ただ、市場の成長が見込めるということは、その分、税務当局から目をつけられやすく、かつ規制の対象となりやすくなるということでもあります。
へたすれば、税の網の目を逃れる手段となる仮想通貨を、税務当局が見逃すはずがありません。
世界各国が債務超過に陥り、かつ、共助条約などで世界各国が税逃れに目を光らせている情勢の中では、それは必至の流れだといえます。


だからこそ、メリットだけに浮かれることなく、今後発生しうるデメリットについても十分注意しながら資産形成を考えていかなくてはなりません。


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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 12832 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター・心理セラピスト。


仮想通貨は現時点(2017年)では投資(というより投機)の手段として着目されています。
しかし、その基礎技術であるブロックチェーンを含め、今後AIとともに、人間の未来をより効率的に、かつ安心できる社会にしていく可能性のあるものではないかと思っています。

個人だけでなく、国としても注目のアイテムなのが仮想通貨です。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問についてお伝えしたいなと考えています。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。