世界の”ICO離れ”が加速

2017年から2018年にかけて一大ブームとなったICO(イニシャル・コイン・オファリング)。

既存のIPO(新規株式公開)に比して資金調達額に上限がないこと、スピーディに調達できること、コストが少なくて済むことなどから、プロモーター側から好まれるようになりました。

また、投資家側としても、入手したトークンが後日上場などにより高騰することから、当時の仮想通貨(暗号資産)の高騰と相まって新たな投資手段として認識が広まることに。

しかし、今やICOは急激に終息しようとしているかに見えます。

2018年10~12月期の世界の調達額は16億4千万ドル(約1800億円)と前の四半期比で33%減
17年4~6月期以来の低水準

英調査会社コインスケジュールの調査によれば、

18年12月末に値が付くトークン360銘柄のうち市場価格が発行時の価格を上回っているものは約16%にすぎなかった。

公益財団法人、国際通貨研究所の調査によれば、

18年12月末に値が付くトークン360銘柄のうち市場価格が発行時の価格を上回っているものは約16%にすぎなかった。

この急速な縮小の背景には、「詐欺の横行」そして「世界的な規制強化」があるとみられています。

背景には「詐欺の横行」「世界的な規制強化」

ICOがなぜ人気を博したか?

もちろん、「資金調達の上限がない」「事務コストがかからない」といった点が好まれたわけですが、これらはすべて「ICOを規制する法律がない」ことがそもそもの根源でした。

言い換えれば、「詐欺をしようとすればいくらでもできてしまう」わけです。

事実、ICOの8~9割は詐欺だと言われるほどでした。

また、これとともにICOへの規制が強化されたことも事実です。
2017年半ば、中国と韓国は国内におけるICOを全面禁止。
(といっても、それでICOが急減速することはなく、むしろ増加していったわけですが)

昨年後半になり、アメリカの証券取引委員会(SEC)がICOで発行されたトークンを「証券」とみなし取締強化。
プロモーター側は罰金を払う羽目になりました。

ICOはもうオワコン?

では、ICOはもうオワコンなのでしょうか。
規制の曖昧さをかいくぐるリスクを負うよりもあえて規制に則ったほうがいいとして、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)という資金調達手法も登場。
「ICOよりもSTOだ」という声も盛んに聞こえます。

もちろん、STOも今後開花していくかもしれません。

しかし、ICOの「大化け」「資金調達天井なし」ではなく「スピーディさ」に着目した大企業のCEOもいます。

マネックスグループの松本大CEOもその一人です。

「えっ、こんな簡単に取引できるの?」
何事にも負けたくない松本からすれば、仮想通貨の未来を見誤ったのは「失敗だった」

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鈴木まゆ子 / 667 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。