本サイトでは、これまで仮想通貨(暗号資産)のさまざまなリスクについて取り上げてきました。
取引所へのハッキングリスク、個人のウォレットへのハッキングリスクなどなど…。

しかし、今回お伝えするお話は、「仮想通貨(暗号資産)セキュリティの盲点」に当たるかもしれません。

取引所CEOが死亡したことで顧客から預かった仮想通貨(暗号資産)をすべて引き出せなくなってしまったのです。

カナダの仮想通貨取引所QuadrigaCXは先月31日、債権者保護ノヴァスコシア州立最高裁判所に申請したと発表した

同取引所はカナダ最大手。

これまで、カナダの大手銀行と法的トラブルを起こしたり、ユーザーから資金が引き出せないなど苦情を受けたりしました。

そして先日、突然「メンテナンスのため」サービスの停止を発表したのです。

この際も、苦情が発生▼

事前報告をせずに、なぜメンテナンスを行うのか?

サービスを停止する前に、利用者にまず知らせるべきではないのか?

一方、同取引所のCEOであるMatthews氏は、

遅延している預金引き出しの問題を1月30日までに解決する

と発表していましたが、これを履行することなく債権者保護手続きを行ったようです。

CEOが死亡?

そして、仮想通貨を失ってしまった理由は、次の事実があるからだとしています。

「取引を一人で管理していたCEOが亡くなってしまったことでコールドウォレットへのアクセスが不可能となってしまったため」

大手であるにも関わらず、「CEO一人で管理する」という実態は非常に不可解ですが…。
この後、QuadrigaCXが最高裁判所に提出した宣誓供述書を入手した仮想通貨大手メディアのCoindesk。
同メディアによれば、

この宣誓供述書の提出者の名義はQuadrigaCXの創設者兼CEOのGerald Cotten氏ではなく、その妻であるJennifer Robertson氏

これによれば、

Cotten氏はクローン病という難病を患っていて、インドで客死したことが証明

失われた預かり資産総額は「約160億円」

QuadrigaCXの創業者であるゲリー・コットン氏が昨年12月9日に死亡して以降、QuadrigaCXは約158億円分の資金にアクセスできない状態

なお、この「アクセスできない状態」を証明したのは4大会計事務所の一つ、アーンストアンドヤング。同事務所によれば、正しくは

「コールドウォレットに『アクセスできない』OR『確認できない』のどちらかか、あるいは両方だ」

とのこと。

現在QuadrigaCXは、37万5000カナダドル(約3100万円)を現金で所有しているのみ

通常、取引所での管理は「マルチ・シグネチャ」のはず…が…

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すずきまゆこ / 829 view

すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。