仮想通貨の根本の概念は「非中央集権=自由」

仮想通貨の根本の概念は「非中央集権=自由」

仮想通貨のもともとの構想は「非中央集権」「自由」でした。

多くの人にその存在を知られることすらなかった仮想通貨・ブロックチェーンですが、最近その意義が問われるようになりました。

大資本家・社会への普及などとともに徐々に中央集権的になりつつあるからです(最初から中央集権性を打ち出しているプロジェクトもありますしね)。

ただ、それでも「仮想通貨は自由において重要な意義を果たす」と主張する人がいます。

ヒューマン・ライツ財団の最高戦略責任者であるアレックス・グラッドステイン氏です。

同氏は昨年末、米有力誌TIMEに以下のような寄稿を行いました。

「ビットコインは、なぜ自由のために重要なのか」(”Why Bitcoin Matters for Freedom”)

その記事において、同氏は次のようにビットコインの自由における有用性について解説しています。

「独裁政権に対抗しうる唯一の”自由な”金融手段」

同氏はベネズエラの現況を例にとり、次のように主張しています。

追い詰められた状況の中でこそ、革新的技術が本領を発揮する
独裁政権の下では、検閲に抵抗性を持つ価値交換手段として、貴重な金融ツールとなり得る

事実、100万パーセントのインフレ率ともいわれたベネズエラでは、すでに法定通貨は紙くずでしかありません。
しかし政府はそれでも法定通貨、そしてこれに連動する独自仮想通貨ペトロの使用を強要してきます。

現実には、一部の国民からはむしろ民間の仮想通貨であるDASHなどが信任を得るようになってきています。

さらに、発行上限を持つビットコインに対し、政府による大量発行により法定通貨が無価値同然となった例としてジンバブエの現状を挙げています。

政府による監視と管理の束縛からも、自由度が高い
難民キャンプでも、インターネットへの接続が可能である限り、身分を証明することなく、ビットコインの受け取りが可能

キャッシュレス社会は「自由だとは限らない」

さらに、中国やスウェーデンをはじめ、世界中で進むキャッシュレス化への流れに関し、同氏は危機感を募らせています。というのも、

本来自由を実現するのは「現金」

現金であれば、それ自体は「匿名」であり「政府の監視なし」で使用することができます。
言い換えれば「表現の自由」が現金決済では実現するわけです。

ただし、ハイパーインフレの国での現金の維持は現実的ではありません。
そして現金とはつまり法定通貨。

結局、国などの中央集権的なシステムに振り回されてしまうことになります。

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すずきまゆこ / 2421 view

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すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。