過激な発言で物議を醸しだすBitMEXのCEOアーサー・ヘイズ氏

「イーサリアム(ETH)なんて草コイン(Shit Coin)だ」

当時時価総額第二位の仮想通貨イーサリアムをこのように揶揄し、ICOプロモーター売りでダダ下がり状態の今後を暗く予測したビットメックスCEOのアーサー・ヘイズ氏。

仮想通貨が暴落した11月、他のアナリストたちが(まるで仮想通貨ユーザーが市場から消えないようつなぎとめるべく)「今後BTCは価格が〇万ドルになる」と予測していました。
しかし、同氏は「2020年までは弱気相場が続く」という”正論”をあっさり指摘。

クールでストレートなその発言は、注目を集めてきました。

過激であるけれども、その発言は決して適当ではありません。

他のアナリストたちが「機関投資家の参入」という”定性的な”イベントを根拠とするのに対し、同氏の発言はビットメックスのリサーチ部門がチャートや相場心理などから”定量的に”読み解いた結果が根拠となっています。

根拠を持ちつつストレートな発言を行うヘイズ氏。
その緻密な計算のベースは、彼の経歴から伺うことができそうです。

ウォートン校出身のヘイズ氏、デリバティブの専門家へ

2008年に世界的なビジネススクールとして知られるペンシルバニア大学のウォートン校を卒業したヘイズ氏。

その後、香港に拠点を移し、ドイツ銀行、シティバンクでエクイティ・デリバティブ・トレーダーとして働き始めます。
香港とシンガポールの証券取引所で50超のETFの値付けを行ったとのこと。

参考▼

この時期に彼は先物など金融デリバティブの専門知識を培いました。
しかし当時はすでに金融界は先細り状態だと彼は感じたようです。

2013年、ヘイズ氏はシティバンクを離れます。

彼が就職した当時、金融業界は活気づいていたのですが、2013年当時はリストラの風が吹き始めていたのです。

実際、ヘイズ氏は危機後の人員削減で職を失おうとしていた。

けれど、すでに彼はビットコインと出会っていました。

仮想通貨ビットコインと出会った同氏は平然としていた。

個人的にトレーディングを始めた彼は、やがてビットコインの裁定取引(アービトラージ)とデリバティブ取引を始めます。

そして、法定通貨のデリバティブが市場取引できるように、仮想通貨のデリバティブを行おうと考え始めたのです。

他の2人のメンバーとともに、プロのトレーダーがビットコインデリバティブを取引できる仮想通貨取引所BitMEX(Bitcoin Mercantile Exchange)を設立します。

2018年2月にはビットメックスは世界最大の仮想通貨デリバティブ取引所へ。
1日に1兆円を超える取引額を記録することもありました。

ビットコインが急速に値上がりする中でビットメックスは投資家から2000億ドル(約22兆円)を超える注文を受け
2017年に8300万ドル、今年に入り最初の30日で2100万ドルを荒稼ぎした。
世界で最も流動性の高いビットコイン先物取引所を自負している。

ヘイズ氏「金融業界は退屈だ」

2018年2月のブルームバーグインタビューで、彼は2013年当時を振り返り、次のように述べています。

「自分たちは金融が最高潮にあった時代を逃した」
「われわれが過ごしたのは衰退の時代だ。金もリスクもフローも少なく退屈だった。
80年代終わりや90年代のトレーディングはこんな風だったに違いないと、ビットコインは私たちに感じさせてくれる
仮想通貨は、銀行業界に期待して得られなかったトレーディングの熱狂と富を自分たちにもたらしてくれる

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鈴木まゆ子 / 3244 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。