米SEC委員長「ICOは効率いいけど証券法は守らなければ」

ここ最近の仮想通貨の価格の下げの一因は米SEC(証券取引委員会)の仮想通貨やICOへの取締の強化にあるとされています。

しかし、米SECは市場の冷え込み以上に「市場の健全化」にやっきになっているようです。

SECの委員長であるジェイ・クレイトン氏は、トークンを使った資金調達イニシャル・コイン・オファリング(ICO)について、「効率が良い資金調達手段になりうる」と認めつつも「証券法は守られなければならない」と主張しました。

ICOが起業家などにとって資金調達をする上で効率的な手段になりうると信じている。

けれど、ICOであれ、有価証券に該当することは変わらないとしたうえで、

証券が提供されれば、証券法が適用されなければならないという根本的な点は変わらない

▼「ICOは有価証券」「新しい技術が出てきたからと言って証券の定義を変えるつもりはない」と主張したクレイトン委員長▼

また、この1年、SECは仮想通貨の状況分析などにかなりの時間を使ったとしたうえで、再びビットコインETFの実現のキモとなっている「相場操縦」と「投資家保護」に触れました。

伝統的な株や債券市場と比べて、投資家保護がかなりおざなり

クレイトン委員長はこのように述べています。
しかしその一方、現在ビットコインETF申請中の資産運用会社VanEckの幹部は

「米SECはダブルスタンダードだ。ビットコインの方が透明性が高い。他の資産には不透明なところがたくさんある」

と批判しています。

デラウェア州の仮想通貨投資ファンド「未登録証券」販売の疑いで業務停止命令

そして、クレイトン委員長の最近の発言に背中を押されるかのように、米SECはICOや仮想通貨への取締の手を強めています。

デラウェア州の仮想通貨投資ファンドがオーナーの持分権を証券として登録しないままに販売したとして5万ドル(約560万円)の罰金を課し、同時に業務停止命令を下しました。

同ファンドは、18年5月までに、少なくとも5つの州の22の投資家から60万ドル(約6760万円)以上の資金を調達した
これら投資家は、同ファンドのデジタル資産への投資によって得られた利益に比例した割り当てと引き換えに、同ファンドのリミティッド・オーナーシップの持分権を購入

この持分権についてはSECに対し、17年11月3日に証券の適用除外通告を提出したとのこと。しかし、

同社(コインアルファ・アドヴァイザーズ)はSECに登録はされていなかった。
コインアルファ・アドバイザーズは、「登録届出書が有効でない限り州の間での通商または郵便を通じた証券の販売を禁止する」という証券取引法に違反した。

この内容をSECから受けて、コインアルファ社はすぐに持分権の販売等を禁止。受け取った投資金額はすべてクライアントに返還し、将来の運営と報奨金のすべての権利を放棄したとされています。

これ以外にも、SECはICOの2つのトークンが有価証券に該当すると指摘、未登録証券の販売を理由にそれぞれ2800万円相当の罰金を科しました。

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すずきまゆこ / 2477 view

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すずきまゆこ

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。