ハイパーインフレに苦しむベネズエラ。
米国の経済封鎖により輸出入もままならず、今年の経済成長はマイナス2桁へ。

国民は苦しい生活を強いられており、海外に逃亡する人も少なくありません。

苦境を打破すべく、マドゥロ大統領を中心とするベネズエラ政府により編み出されたのが独自仮想通貨ペトロ▼

そのペトロを、国会に相当するベネズエラ制憲国民議会が、仮想通貨の規制に関する法案を承認しました。

この法案では、物議を醸し出しているベネズエラ政府発行の石油に裏付けされた仮想通貨であるペトロを、国内の商取引における正式な会計単位として承認

さらに、現行のアンチマネーロンダリング対策に関する法律も改正。
ベネズエラ国内での仮想通貨取引所で外国為替業務が行えるようになるのではないか、と、キューバの国営通信社は報じています。

これまで「怪しいウワサ」しかなかったペトロ

この他、このペトロは米国の経済封鎖の対抗策として有効だとか、対米の他国との国際的なビジネス関係の構築に役立つとされています。


・・・・が。


すでに本サイトでお伝えしてきたように、これらのコピーはしょせんベネズエラ政府によるプロパガンダに過ぎません。

実情はあまりにもお粗末です。

たとえば、仮想通貨ペトロはあるといわれつつ、実際にプレセールで購入しようとしたら「どこで買えるの?」「見たことないんだけど」状態▼

ペトロの価値の裏付けとなる石油は、あるにはあるけれど、採掘の気配すらない状態。
ちなみに、ベネズエラの石油はあまりに質が悪く、「タール」と呼んだ方がふさわしいレベルです。

また、ペトロのICOプレセールにあたり発行されたホワイトペーパーを目にした一部の層からは「これ、仮想通貨ダッシュ(DASH)のパクリじゃん」という指摘あり。

「国内6つの仮想通貨取引所に上場した」とありましたが、それら仮想通貨取引所では過去の取引履歴は見られませんでした。

ベネズエラの現状は…「石油国のはずなのにガソリン不足に悩まされる」

そして、石油国であるはずのベネズエラで現在、深刻なガソリン不足が生じています。

社会主義国家ベネズエラがリセッション(景気後退)に突入して5年、産油量は大幅に減り、製油所の稼動も大きく落ち込んでいる。
原油価格が崩れ、輸出の9割超を占める石油の売り上げが減少

そしてその背景には、2013年に大統領に就任したマドゥロ氏の経済政策の失敗にあります。同氏が大統領になって以降、経済規模は半分に縮小しました。

ベネズエラの産油量減少は、長年の過少投資に根本的な原因がある。米国による制裁が資金調達を困難にさせた。
製油業界は130万bpdの生産能力があるが、大きな打撃を受けている。稼働しているのはわずか3分の1

需要の冷え込みもあり、生産量は落ち込んでいるのですが、残念なことに、生産量が「最低限必要な量」すらカバーできない状態です。

「国内生産量の過度な落ち込みを海外からの輸入で補おうとしている」国営の石油企業であるPDVSAの内部資料には記載されています。
しかし、米国からベネズエラとの取引を制限されている現状では、「マトモな業者」との取引がままならず、水のまじったガソリンを渡される始末です。

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鈴木まゆ子 / 1639 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。