イーサリアム創設者Vitalik、日経インタビューに答える

仮想通貨としてもプラットフォームとしても、イーサリアムを騙るにはVitalikの存在を抜きにすることはできません。

仮想通貨ビットコインの概念に触れて感動した彼は、「スマートコントラクト」という概念を組み込んだイーサリアムの仕様と基礎概念をネットで公開。

以来、イーサリアムはさまざまなプロジェクトで応用されています。

そのVitalikが先日、日本経済新聞のインタビューに答えました。
その一部をご紹介します。

「仮想通貨と法定通貨は共存する」

仮想通貨について語る際、仮想通貨支持派においても、また反対派においてもときどきみられるのは「どっちかしかない」世界概念。
つまり、「仮想通貨は法定通貨を駆逐する」あるいは「法定通貨は仮想通貨を駆逐する」というものです。

特に仮想通貨ギークの中には「仮想通貨だけで経済が回っている」と主張する人もいます。

Vitalikはそれぞれの主張についてNOを唱え、「仮想通貨と法定通貨は共存する」と答えました。

「仮に、ある仮想通貨が世界中に普及したとしても現実的には市場価格が1年で100%も変動するような通貨では経済は回せない」
価値の測定や保存に向いた法定通貨と、支払いや送金など価値の移動や交換に向いた仮想通貨が、「現実的にはそれぞれ違う役割を果たしながら共存する」

そして、現実世界で仮想通貨を含めたブロックチェーンの実用分野として機能しうるのが金融分野であるとしています。

金融サービスは、中央集権的なシステム運営の弊害が「最も悲惨」で使い勝手が悪く、技術革新による改善余地が大きい
金融サービスの代替手段としての仮想通貨とその応用サービスが、ブロックチェーンの実用分野として当面最大であり続ける

ICOは「使い方次第で有用に」

また、詐欺が90%と言われ、さらには実際の投資額と事業実体の現実が乖離していることの多いICO(イニシャル・コイン・オファリング)。
Vitalikはこの現実を認めつつ、次のように述べました。

サービスやシステムの開発に「多くの人に参画してもらうための動機付け(インセンティブ)の仕組みとしてICOは有効で必要」

過剰な規制に警鐘を鳴らす一方、新たな提案も▼

遊園地内の施設利用券のように、個別の事業内で使用価値があるデジタル券を発行するICOが技術革新推進に有効
「無償公開(オープンソース)型ソフトウエアがそれほど広がらなかったのは開発貢献者に報いる(ICOのような)インセンティブの仕組みを欠いたため」

ブロックチェーンは「実用的価値を生み出している」

また、ニューヨーク大学のRoubini教授が仮想通貨やブロックチェーンを酷評し、TwitterでもVitalikと舌戦を交わしたことで知られています。

この批判にも触れ、あらためてイーサリアムを含めたブロックチェーンの価値について解説しました。

「仮想通貨が送金などで実用的に機能しているほか各種自動サービスが商用化されており、ブロックチェーンはすでに実用価値を生み出している」
イーサリアムには、悪意のある人を含めたあらゆる参加者の行動が全体として必ず良い結論に収れんしていく仕組みが、ゲーム理論を応用したアルゴリズムとして組み込まれている。

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鈴木まゆ子 / 2963 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。