ブロックチェーンの有用性にBig4も動き出す

仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーン。
改ざん性の低さ、コストのよさ、そしてシステムダウンへの強さといった強みがあります。

この強みに目を向けているのは金融業界だけではありません。
単なる会計業務だけでなく、コンサルティング、ときには行政へのサポートなども請け負う会計事務所にとっても関心の的となっているのです。

特にここ最近、会計業界のBig4のブロックチェーンとのかかわりがメディアによく出てきます。

※会計業界Big4とは…

・PwC(プライスウォーターハウスクーパース)
・KPMG
・EY(アーンストアンドヤング)
・Deloitee(デロイトトウシュトーマツ)

PwC:ステイブルコイン発行へ

2018年になり、話題の一つとなっているステイブルコイン(価格安定型仮想通貨)。
PwCでもこのステイブルコインの発行へ一歩踏み出しました。

ステイブルコインになぜ会計事務所?と思うかもしれません。

ステイブルコインの条件の一つが「法定通貨(場合によってはBTCなどの仮想通貨や金などの実物資産)の裏付け」が必要です。
というのも、ステイブルコインの価格は法定通貨などの価格と連動することになっているから。

多くの人が知っている限り、最初のステイブルコインはテザー社発行のテザー(USDT)でした。
このテザーは米ドルと連動するといわれていましたが…「実は裏付けとなるUSドルをテザー社は保有していないんじゃないか」という疑惑が。

これを払拭すべく、法律事務所の助けを得て、裏付け資産の証明をテザー社は発行したのですが、それでも信用されません。

「監査法人の証明」ではないからです。

こういった事情にビジネスチャンスを見出したのか、PWCは積極的にステイブルコイン発行に伴うアドバイザリー業務を行っています。

国際的コンサルティング企業PwC(プライスウォーターハウスクーパース)の香港支部であるPwC Hong Kongはステーブルコインについての研究を進める傍ら、分散型融資プラットフォーム「Cred」によるステーブルコインの発行準備にアドバイスを行うなど、ステーブルコインの普及、及び促進に積極的な姿勢をみせている。

KPMG:デジタル・ウォレットの開発を支援

KPMGは、シンガポール支社を通じ、シンガポール航空およびMicrosoftとともに、ブロックチェーン技術を活用した「デジタル・ウォレット」を開発してきました。

シンガポール航空は、2018年2月に概念実証の開発に成功。

今年9月、新たにデジタル・ウォレット、クリスペイのリリースを発表しました。

このウォレットによりマイレージをトークンとして活用することができるようになります。

クリスペイによって、シンガポール航空のクリスフライヤーの会員は、「クリスフライヤーマイル」を参加企業で使用可能な「クリスペイ・トークン」に瞬時に交換することができます
、シンガポール航空にとってもブロックチェーン技術を用いることによって新たなパートナーを迎え入れるとともに、支払いの照合を行うことが可能になります。
ブロックチェーンは、リアルタイムで全ての顧客取引の取引時間が付された分散台帳を提供するため、コストや時間の効率化に大きく寄与します。」

Deloitee:政府向けブロックチェーン事業を展開

世界最大の会計事務所である「デロイトトマーツ」は、米国シカゴに本社を置くアイデンティティ・マネージメント企業Attestと提携
「政府クライアント(政府側が企業のクライアントとなる)」が直面するデジタル・アイデンティティにまつわる様々な問題を解決するブロックチェーン基軸のソリューションズを提供することとなった
デジタル・アイデンティティプラットフォームには、『Attestウォレット』と『Attestエンタープライズ』という2つの主力商品
両方とも政府と企業間における個人情報共有に向けたプライバシー・セキュリティー・認証に特化したもの
特に、ウォレットは、政府と企業のアイデンティティをデジタル化し、アクセスを制限することも可能

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鈴木まゆ子 / 1209 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。