審査を厳格化した金融庁、ついていけない交換業申請希望者

度重なるハッキング、ずさんな管理、懸念されるマネーロンダリング、そして投機の抑制…

仮想通貨取引にはさまざまな課題が課せられています。
そのため、金融庁も仮想通貨の交換業登録については厳しくならざるを得ません。
それはG20だけでなく、取引市場からの要請事項でもあるからです。

しかし、登録申請をする事業者は大変です。
昨年までなら登録も(それでも大変だったとは言え)スタートアップの参入余地のあるレベルでした。

しかし、過度な課題を課せられるようになった今、仮想通貨取引所はスタートアップが気楽に開業できるレベルではなくなってきています。

金融庁が10月に公表した仮想通貨交換業者の登録審査に関するプロセス。

なぜか。
それは、新たに公開された仮想通貨交換業の登録審査に関する内容が公開されたからです。
公開前から「審査内容を厳格化する」旨、金融庁から明らかにされていましたが、具体的な内容は、取引所開設を希望する事業者の予想をはるかに超えるレベルでした。

そして、その要求レベルは、登録を希望する企業の経営状況を圧迫しかねないほどなのです。

金融庁が求める経営管理体制の構築には、経営層から経理、コンプライアンス、システムエンジニア、カスタマーサポートやセキュリティーに至るまで多岐にわたる担当者が必要で、50人は要るイメージ。
一方で開業時期のめどが立たないと新たに人材を採用するのも難しく、家賃や人件費がかさむばかりで悩む日々だ

新たな事業立ち上げには資金が必要です。
たいていの場合、出資あるいは融資で資金を調達します。

ただし、いずれについても「事業開始のめどが立っている」ことが最低条件です(いつくらいから回収できるかの算段が整っていることも必要)。
その事業開始のめどすら立たせない金融庁の審査の長期化、そして厳格化は、新規事業の芽をつぶしているおそれがあります。

また、申請側としてはこの項目はいらないんじゃないか、というものも▼

株式などと同様に「相場操縦」や「風説の流布」を禁じる文言が入ったが、ブロックチェーン技術を用いる仮想通貨の性質上、そうした問題は生じにくい

しかし、「不適正取引の防止」に関する項目は金融庁の強い意向により盛り込まれました。

前出の幹部は「同業者の間でもこの項目は無視していいのではとの話が出ている」と、反発を隠そうとしない

低レベル業者の申請も後を絶たない現実

ただ、上記のような「マジメに取引所を開設しよう」と悩んでいる事業者ばかりではありません。
中には、いいかげんなところもあります。

申請書類すらまともに書けず、必須項目を空欄にしたまま平気で提出する業者が少なくない
指摘を受けて空欄を埋めてきたかと思えば、外部の専門業者に記入を丸投げしており、ひな型の文面をそのまま貼り付けただけというケースも後を絶たず、担当する職員のため息は大きくなるばかりだ。

コンプライアンスの意識のない低レベル業者の申請書類で、職員の審査労力がムダに消費されている現実もあるのです。

「こんなことなら新規参入なんてさせなければいいのでは?」

という声もあります。
しかし、金融庁側としてはそうも言ってられません。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 5945 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。