米SEC「最優先事項は仮想通貨・ICOの詐欺防止」

米証券取引委員会(SEC)というと「ビットコインETF」というキーワードが浮かぶ昨今。
しかし、SECの仕事はそれだけではありません。
仮想通貨やICO(イニシャル・コイン・オファリング)の詐欺を撲滅・防止することの方が、投資家保護の観点から彼らにとっては重要事項です。

SECのエンフォースメント部門は、11月2日に年次執行報告書を発表しました。
その中で、SECは「仮想通貨やICOに関連する詐欺を防ぐことが同委員会の優先事項である」と明らかにしました。

この年次執行報告書では、次のような内容が記載されています。

仮想通貨やICOのブームとともに社会問題化していった詐欺。
SECでもこの詐欺については懸念をしており、投資家教育のため”あえて”詐欺サイトを設けたほどです。

特にICOやデジタル資産についての詐欺案件に注目していく

とはいえ、詐欺を完ぺきに防げるわけではありません。

SECは2018年度に39億4000万ドルの罰金および不正利得の返還要求を命じたのこと。
そのうち3億400万ドルは、大規模案件によるものだったといいます。

今回のレポートの中で、仮想通貨・ICO関連詐欺については以下のように触れています。

SECのICOに関する認識

例えば取引記録が管理されていないことや、製品に関する明確な情報公開等が欠けているといったことがある

もちろん、「不十分なICO」だけでなく、「最初から詐欺」のICOもあります。

「過去1年間、ICOとデジタル資産に関して数十件の調査を開始した。その多くは、2018年会計年度の終了時においても継続中だ」
2018年度末時点で225件のサイバー犯罪に関する調査が進行中であるようだ。

SECのICO詐欺への対応

こういった現状に対し、SECは次のように対応するとしています。

・違法な可能性のあるICOのプロモーション(有名人などを起用するものを含む)については、公開警告をICO運営者に対して送付。
・令状が出た場合には法執行部が合衆国の関連法に基づきICO運営者を拘束する。2018年度末までにSECは12件以上のICOやデジタル資産関連の詐欺案件での逮捕。
・法執行部は違法なICO関連についてはICO運営者だけでなく、それに加担した外部の人間にも責任を追及する。2018年度には「ICOの総合取扱所」を自称する、認可なしの金融ブローカーを逮捕し、さらに関連するヘッジファンドマネージャーも逮捕。
・法執行部は違法なICO関連については取引停止命令の権限を以て対応。

不正ICOの事例

また、レポートの中では過去に発生した不正ICOについても記載。

ある金融サービス・スタートアップの創業者たちは、数千人の投資家から3200万ドルの資金を集めた。
Titanium Blockchain Infrastructure Services Incという企業の社長は2100万ドルを集めた。「犯罪の常習者」と書かれている人物は、投資資金が13倍になるとうたって、投資家から1500万ドルを集めた

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。