明確な規制はないに等しい…でも”空気で”仮想通貨を取り締まるインド

インド準備銀行(RBI、インドの中央銀行に相当)による銀行への仮想通貨取引禁止令、そして仮想通貨ATMを初めてインドに設置したウノコインCEOらの逮捕…

仮想通貨の明確な規制はほとんどないに等しいにも関わらず、インド政府と行政は仮想通貨に対し過度に敏感になっているように感じます。

そしてその煮え切らない政府の態度にしびれを切らした最高裁が、ユーザーたちからの嘆願書に応え、仮想通貨規制に関し、次のように政府に要請しました。

インド中央政府の仮想通貨に対する方針を11月中旬までに公表するように

これを受け、インド財務省経済局のShri Subhash Chandra Garg長官は、インド財務大臣が開催する金融安定開発会議(FSDC、インドの現在の経済状況や財務状況についての会合)で、次のように提案しました。

「インドで民間の仮想通貨の使用を禁止する適切な法的枠組みを考案すべき」

一見「ああ、もうオワコン…」という感じがしますが、専門家はそうは見ていません。
eToroシニアアナリストのグリーンスパン氏は次のようにみています。

とりわけ「民間の仮想通貨」が何を指すのかが不明確
一部ではプライベートコイン(匿名通貨)のモネロやzcashのことを指しているのではという見方が出ている

なお、インドの財務大臣であるアルン・ジャイトレイ氏は、2018年~2019年予算演説で、仮想通貨に関し次のように述べています。

「政府は仮想通貨を合法的な通貨とは考えていない。非合法活動に資金を与える仮想通貨の利用を取り締まっていく」

なぜインド政府は仮想通貨規制に曖昧なのか

ただ、この発言こそが、インド国内での仮想通貨ATMの設置の動機になったわけです。
ウノコインCEOは、上記財務大臣発言を引用し「『合法的ではない』とは言っているが、違法だとは言っていない」と解釈。
さらに、銀行取引がアウトなだけであり、仮想通貨取引そのものがアウトなわけではないとして、仮想通貨ATMを設置しました。

なお、この逮捕の際の地元警察の理由も不可解で、「業者がライセンスを持っていないから」というもの。
ライセンス取得云々、つまり規制云々以前の状態であるのが今のインドと言わざるを得ません。

ただ、その一方、”Digital India”構想の元、現金を撤廃し、デジタル決済を導入しようと躍起になっているインド政府でもあります。現金にはマネロンのリスクが付きまとうからです。
2016年には高額紙幣を廃止しました。

eToroシニアアナリスト「裏側には勢力争いがある」

なぜこのようにインド政府は仮想通貨規制についてあいまいな態度を続けるのか。

eToroのシニアアナリストであるグリーンスパン氏は次のようにみています。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 7118 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。