仮想通貨規制にはいくつか課題があります。
その中の一つ、”ICO規制”はなかなかやっかいなもの。

というのも、有価証家と異なり、配当を約束するものとは限らないからです(でもすでに集団投資スキームだよねという指摘もあり)。
法定通貨ではなく、トークンと仮想通貨のやりとりで資金調達が実現するという点も、既存金融と異なり、一般には理解しにくいもの。

金融庁で毎月行われる、「仮想通貨交換業等に関する研究会」
この研究会でも、ICOは有識者の間で懸念事項として関心がもたれていました。

そして、今月1日の同研究会では、ICOの問題と規制に向けた論点が議論されました。

金融庁、ICO”全面禁止”を見送り

仮想通貨技術を使った資金調達(ICO)について、中国や韓国のように全面的に禁止するのではなく、法改正などで規制を強化し、健全化を目指すことで大筋合意した。

「詐欺が90%」といわれるICO。
そのため、「全面禁止」とした方が手っ取り早いのですが、ただ、

ベンチャー企業を中心に新たな資金調達手段として活用されている実態に配慮

ICOのすべてが詐欺なわけではなく、マジメなICOもあるわけです(EOS、TelegramのTONなど)。
しかし、そのプロジェクトの実現に時間がかかることから、「最初はまじめだったけど結果的に詐欺」になるケースもあります。

また、日本ではメタップスがICOを行ったことで「会計上の処理どうするよ?」で深夜まで議論が行われることもありました▼

規制の具体案:金商法の対象として検討

配当や利子を出し、投資とみなせるICOを広く金融商品取引法の規制対象にすることを視野に入れる
投資とみなせるICOに対しては販売する業者や投資家の制限を含めた新たな規制を検討する
資金調達でなく、単にモノやサービスを買う決済手段としてトークンを使う場合は投資商品にあたらないとして、規制を区別する方針だ。

有識者からの意見

ちなみに、研究会に来た有識者の間からは、

「ICOも株式公開と同じ機能やリスクを持つなら同一の規制をかけるべきだ」

著書「アフター・ビットコイン」で知られる中島真志氏(「リップル以外は使い物にならん」主張の方ですね)は、

「世界のICOの8割が詐欺との報告もある。値上がりを期待した買いで投機をあおっている」

個人的には、中島教授のツッコミって若干遅れていない?感があります。
というのも、ICOはかつてほどブームではなくなってきているからです。

そんなICOも現状プロジェクトの長期化でETHが売られる現状▼

ちなみに時代は「規制が不明瞭なICO」から「規制が明確なSTO」に移りつつあるようです▼

ICOに関する海外規制の現状

ICOに関する海外規制の現状

本サイトでもすでにお伝えしていますが、中国ではICO禁止。
韓国では(見直しの気配がありますけど)現時点ではICO禁止です。

また仮想通貨そのものへの規制がいまだ不明瞭ですが、ICOトークンは有価証券に該当するという意見がSECスタッフから出ています。

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鈴木まゆ子 / 778 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。