「仮想通貨マイニングで20年以内に地球の温度が2℃上昇」論文発表

「仮想通貨マイニングは地球温暖化の原因だ」
「環境を破壊する」
「電気代をムダに食う」
「南極の氷が解けて海面が上昇してもいいのか」

これらはすべて、仮想通貨”批判派”が掲げる通説です。

事実、仮想通貨マイニングには大量の電気代がかかります。

ビットコインやイーサリアムなど、トラストレスを前提とした分散型台帳システムでは、知らない者同士が承認しあうためには総当たり戦で計算を行うことが必要とされています。
総当たり戦ですから、その分”効率悪く”電気を消耗します。

ゆえに、膨大なエネルギーが必要となるのです。

そして、これらの通説を”さらに過激に”したかのような論文が、ネイチャー・クライメート・チェンジ誌に掲載されました。

ビットコインの採掘(マイニング)による二酸化炭素排出量だけでも、地球の気温をわずか20年以内に2℃上昇させるかもしれない
もしビットコインがそうした日常的に使われるテクノロジーの平均普及速度と同様のスピードで普及すれば、2030年代初頭には壊滅的な地球温暖化を引き起こすことになる

この根拠は次のようなもの▼

ビットコインの採掘にかかる電力消費量と、採掘用の機器が設置されている国々(特に石炭が安価な中国)での発電で発生する二酸化炭素排出量を把握
クレジットカードや電気、食洗機といった広く一般に使われているテクノロジーの普及速度に着目

ネイチャー誌論文に反論続出

当然と言えるかもしれませんが、「これは言い過ぎだ」という反論がビットコイン愛好家や仮想通貨ファンの間では続出しました。

既存の通説に異を唱えるのは仮想通貨ファンだけではありません。

ピッツバーグ大学でクリーンエネルギー技術を研究するKatrina Kelly-Pitou博士(以下、ケリー博士)は、「これまでのビットコインと消費エネルギーをめぐる議論は、単純化され過ぎてきた」と、今年の夏に指摘しています。

別の見方もあります。ジョナサン・クーメイ博士はデータセンターの電力消費に焦点を絞ったうえで、次のように指摘▼

ビットコインの採掘量は、ビットコインの価格や電力コスト、採掘機器の性能、政府の政策など付加的な要因によって左右される。
ビットコインが現在、どれぐらいの電力を消費しているかを把握することですら困難だ
もっとも現実的な推計ですら、実際の施設からのデータはほとんど含まれていない状態
「ビットコインによる電力消費にもっと効果的に対応するには、現地調査や現場のデータが必須です」

マイニングによる環境負荷が少なくなる工夫も

また、まだ始まったばかりですが、環境負荷が少なくなるようなマイニング環境の工夫などもされています。

環境問題や温暖化問題は「マイニングが始まる前」からあったこと。
中央集権的なシステムでのデータセンターであっても膨大な電気量を消費するのです。

もし焦点を環境保護や温暖化防止に向けるなら、仮想通貨”だけ”をやり玉に挙げるのではなく、全体としての見直しが必要になるのではないでしょうか。

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鈴木まゆ子 / 733 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。