LocalBitcoinsとCoinDanceが国別の相対(OTC)取引資料を提示

2017年ほど価格が上昇しない仮想通貨市場。
単に高騰しなくなっただけでなく、ボラティリティも下がったといわれています。
ビットコインは現在70万円台で推移。

しかし、その裏側では、公開市場ではなく個人同士の相対取引(OTC取引)が急増しているようです。

OTC取引は急増しているとは言われつつも、その実態が具体的にとらえられることはこれまでほとんどありませんでした。

ただその一方、個人OTC売買を提供するフィンランド発の取引所LocalBitcoinsは指標となる詳細な出来高データを公開。
さらにCoin Dance社が、この公開データを元にビットコインの統計情報を国別に提供しています。

これら資料を元に、海外仮想通貨メディアTheBlockは更に独自の分析を進め、以下の分析結果を明らかにしました。

※相対取引統計情報は完全ではないことに注意※

※相対取引統計情報は完全ではないことに注意※

ただし、相対取引の統計情報も完全ではありません。
ペア取引の場合もあるからです。

CoinDance社の統計情報は以下が前提になっています。

① LocalBitcoinsにおけるビットコイン取引は現地通貨のみで行われる (USDを指定して行うことはできない)
② 国別の取引量全体のデータは提示されていない
③ 国別の取引量は各国の人口を用いて割り出している

ロシアは仮想通貨”相対取引”大国に

まず、分析により浮上したのがロシア▼

USD換算した国別の取引量推移を並べてみると、ロシアがLocalBitcoinsでの取引量の大部分を占めている

TheBlockは、直近の10月13日から20日の一週間に絞り、短期的な国別の取引量を分析しましたが、そこでも、

この背景には、

2018年末までに現地の仮想通貨取引所が合法化される予定だが、それまでは規制の整った取引手段がなかった

ロシアは規制に反した場合に何が起きるかがわからない、という事情があります(だからこそTelegramCEOのパーヴェル・ドゥーロフはロシアから出国し、世界を転々としているわけです)。

当局に目をつけられずに取引を行うにはOTC取引は最適だと言えます。

同様に、仮想通貨取引への締め付けが厳しい中国・インドでもOTC取引は急増しています。

ハイパーインフレに苦しむベネズエラなど南米でもOTC取引急増

この他、人口を加味した上でLocalBitcoinsの取引量では、

南米諸国ではハイパーインフレが起きており、政治的な理由でビットコイン取引量が伸びている
南米のハイパーインフレは年間20万%に迫っており、IMF(国際通貨基金)の推算では2018年末には100万%に達するという。

この他、LocalBitcoinsで最も取引の活発な12ヶ国について、取引量の割合を見てみます。
すると、ビットコインのエコシステムでは先進国の影響力が弱まっているのに対し、発展途上国の存在は重要性を増している様子がうかがえます。

「仮想通貨に信用などあるはずがない」

という声が聞かれますが、それはもっぱら「自国の法定通貨に信用力のある」先進国です。
途上国はすでに事情が異なり、中には法定通貨よりも仮想通貨の方が信用できる国もあります。

そして、先進国の法定通貨の信用力ももしかしたら砂上の楼閣かもしれません。
次の金融危機が来た場合、もちこたえられないのではないかというほどの累積債務があるのが現状なのです。

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鈴木まゆ子 / 3316 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。