2017年以来、すでに主要な仮想通貨マイニングはビットメイン社やカナン・クリエイティブ社など大手マイニング企業に独占されているかのように見えます。

しかし、もしかしたら、それは錯覚かもしれません。

サンフォード・C・バーンスタインのマーク・リ氏などといったアナリストは、次のように指摘しています。

ビットメインの技術的な優位さは失われつつある可能性がある

この分析を裏付けるかのように、新たにマイニングビジネスにチャレンジするスタートアップが登場しています。

仮想通貨マイニング企業マイクロBTの創業者は”元ビットメイン社社員”

ビットメイン社と同じく中国・北京に拠点を持ち、仮想通貨マイニングビジネス事業を展開するスタートアップ・マイクロBT。

創業者である楊作興氏は元ビットメイン社の社員です。

ビットメイン在職時は市場をリードする半導体の設計に関わっていたと楊氏は話す。

ヤン氏は2001年にメカトロニクスの博士号を持って北京清華大学を卒業。
その後、シンセンに上場しているインジェニックセミコンダクター社などでハードウェアと低ワットチップ設計に従事しました。

2014年からはビットメイン社で仮想通貨のマイニングチップの設計に従事しました。しかし、

自社株を持ちたいとビットメインを共同創業した呉忌寒、●克団両氏に持ち掛けたが、これを断られた(●=擔のつくり)
同社を2016年6月に退社。その1カ月後、楊氏はマイクロBTを設立。

そして、自社でマイニングハードウェアを開発します。

このハードウェアについて、かつての職場であったビットメイン社から特許権を侵害しているとして訴えられます。
しかし、中国の司法当局はこれを却下。

中国の裁判所は最終的に問題の回路設計が広く使われているという理由でBitmainの特許を無効にした

A Chinese court ultimately revoked Bitmain’s patent on grounds that the circuit designs in question were widely used.

楊氏は現在、「ビットメイン社に負けない質の高いハードウェアを製作している」と自負しています。

MicroBTの主力製品であるWhatsminer M10は、BitmainのS9iよりも優れた電力効率を提供できるとYangは述べました.

MicroBT’s flagship Whatsminer M10 can deliver better power efficiency than Bitmain’s S9i, Yang said,

Bitmainが新しい製品をリリースする中で、MicroBTは、競争力を維持するためアップグレードに取り組んでいると楊氏は付け加えています

Yang added that MicroBT is working on upgrades to stay competitive as Bitmain rolls out new products.

25億円の資金調達に成功、IPOを検討

ビットメイン社はすでに香港の証券取引所にIPO(新規株式公開)申請を行いました。

マイクロBT社もこれに負けていません。

楊氏はマイクロBTが個人投資家から2200万ドル(約24億6500万円)相当を集め、追加調達のため中国にある複数の運用会社と協議していると説明。

さらに、楊氏は次のように自社の強みを語ります。

マイクロBTにはビットコインキャッシュへのエクスポージャーがないというのが楊氏のセールスポイントの一つだ。

エクスポージャーとは、金融関連用語で、投資家の持つ金融資産(ポートフォリオ)のうち、マーケットの価格変動リスクに晒されている資産の割合(度合い)を言います。

ビットコインキャッシュは昨年のハードフォークで注目を集め、今やロジャー・バーやビットメインCEOのジハン・ウーからも高い支持を得ている仮想通貨。

しかし、ビットコインキャッシュは今年約60%値下がりしています。

大手マイニング企業の寡占市場であるかのように見える仮想通貨マイニングビジネス。

仮想通貨の価格下落に伴い、よりエネルギー効率のよいマイニングハードウェアが求められるようになりました。
また、マイニングそのものも、大規模”だけ”が優位だとは言い切れなくなってきています。

マイニングビジネスの戦場では、まだまだ下剋上が続いていくのかもしれません。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 5879 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。