仮想通貨マイニング大手のビットメイン社に続々”試練”

2013年に創業し、今や世界最大手となった仮想通貨マイニングのBitmain(ビットメイン)。今や、仮想通貨界隈でその名を知らない人はいないでしょう。

若き創業者Jihan Wu氏は2018年、フォーチュン誌にて「金融と技術の分野で影響力のある40歳以下」の3位に選ばれるほど。

香港証券取引所に、9月下旬、IPO(新規株式公開)を申請しました。


しかし、そのIPO申請の話題が注目を集めた8月、ビットメイン社に関するフェイクニュースや粉飾決算のウワサが流れました。

IPO申請で分かったビットメインの”好業績”

ただその一方、IPO申請の中でビットメイン社の財務状況が明らかに。
世間が気にするほど業績が悪いわけではなく、むしろ2017年以上に2018年は業績が向上していることがわかりました。

同社は、2017年に2,517,719,000ドル(約2830億円)の収益をあげ、2016年の277,612,000ドル(約310億円)から大きく収益を伸ばしています。
2018年6月30日時点での2018年の収益は2,845,467,000ドル(約3200億円)であると記述し、2017年の収益を凌駕する勢いであることが示唆
費用、経費調整後のBitmainの純利益は、2015年に4860万ドル(約54億円)、2016年に1.1億ドル(約120億円)、2017年に9.5億ドル(約1070億円)、2018年上半期で同じく9.5億ドル(約1070億円)である
Bitmainはビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、ダッシュなどの仮想通貨を8.8億ドル(約990億円)分所有し、総資産の28%を占めていることが明らかになりました

全般的な仮想通貨価格は低迷しているにも関わらず、所有額が減っていないのです。つまり、

ビットメイン社に押し寄せる”危機”が次々と

しかし、それでも安穏としていられないのが今のマイニング事業です。

というのも、価格低迷でハードウェアそのものの売れ行きなどに不安が残るからです。
また、昨今の国際的な政治経済状況も懸念材料となっています。

懸念①米中貿易戦争によるトランプ関税

第一の懸念材料は米中貿易戦争の悪化です。

今年の夏、技術が米国通商代表部(USTR)によって厳格な関税制度下に再分類され、さらに関税率が引き上げられました。

6月、USTRはビットメインのAntminer S9を関税率が2.6%の「電気機械装置」に分類し直した。
追加の関税料金は8月に導入され、2670億ドルの中国製輸入品に対する手数料は最大25%まで引き上げられた。

この関税がビットメイン社の商品売上の下落や利益圧迫を引き起こすかもしれません。

懸念②430億円の所得隠し疑惑

また、Tech Crunchが同社の所得隠しの疑いがあることを指摘▼

Bitmainは今年の第二四半期の利益は7億ドル(約800億円)としていましたが、4億ドル(約450億円)ほどの損失を隠しており、実際の利益は3億ドル(約340億円)であった
投資ファンドAtlanta Digital Currency Fundの最高情報責任者は同社が保有している仮想通貨資産を購入時の価格で計上していたと言います

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鈴木まゆ子 / 6293 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。