「法定通貨は国の信用があるから安全」というけれど…?

「法定通貨は国が発行している。だから心配ないし、価値の裏付けもある」


これが、仮想通貨批判派が「だから仮想通貨は廃れる」の理由としてあげるものの一つです。

でも、事実その通りだと言い切れるのでしょうか。

すでに、法定通貨よりも仮想通貨が国民から信用され、取引に活用されている国があちこちにあります。

その代表格のひとつが、年末100万%に至るのではないかと言われているベネズエラです。同国では仮想通貨ダッシュ(DASH)の普及が進んでおり、日常の決済も法定通貨のボリバル・ソベラノではなくDASHが用いられています。

八月には、アメリカとの関係悪化からトルコリラ不安が一気に広がりました。
同時にトルコ国民は米ドルだけでなく仮想通貨を買いに走る有様▼

この他、ハイパーインフレのジンバブエでも仮想通貨のほうが決済手段として好まれていたりします。
つまり、「法定通貨=安全」ではなく、「国の信用力=法定通貨の信用力」でしかないことがわかります。

経済危機国の通貨は仮想通貨ビットコインよりも大幅に下落する事実

ビットコインは、今年だけで換算すればドル建てで約46.7%のマイナスとなっています

しかし、

対米ドルにおけるボリバル(ベネズエラの通貨)、ポンド(スーダン)、ペソ(アルゼンチン)よりも良いパフォーマンスだった

以下、ペンション・パートナーズの調査による外貨下落率一覧です。
ベネズエラ、スーダン、アルゼンチンの法定通貨の対ドル下落率はビットコインを上回ります。
また、トルコリラはビットコインほどではないにせよ、対ドルでマイナス44%をマーク。

さらに、

最近では、アメリカと中国による貿易戦争や日本銀行が金利政策の決定を待っている中、ビットコインの取引量と価格が上昇したというデータ

つまり、

マクロ的な状況も、人々に仮想通貨への興味や移行を促す要因の一つ

「法定通貨の信用」は「国の信用」に依存する

現在の通貨制度は、上記ルールが基本です。ということは結局、

そして、「国」という媒体がない仮想通貨は、かかわる人の信頼に直接依存することになります。

「法定通貨だから安心できるできない」「仮想通貨だから安心できるORできない」

ではなく、どちらについても

「どれだけ多くの人がその貨幣を信用するか」

というテーマに帰結するわけです。

そしてここでもう一つ、仮想通貨が普及するための一つの命題が浮かび上がります。

仮想通貨が今後、この世界で流通しより幅広く信頼を得ていくためには、人々に「安心」を与えていくことが必須要件になるのです。

信頼の前提には「安心」があります。

その安心は、人の生命や財産を棄損することなく、むしろその人の生活を潤滑かつ安定に成り立たせることから生まれます。

安心を生むためには、技術面でのセキュリティだけでなく、規制という側面からも人々の生活を守っていくことが欠かせないのです。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 8206 view

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。