世界で仮想通貨ATMが増えるものの、決済手段になりきれない…なぜ?

世界で増えている仮想通貨ATM。
昨年仮想通貨バブルとなって以降、アメリカを中心にビットコインなどが扱えるATMが増えています。

また、金融危機に陥ったギリシャでは、自国法定通貨の不安から仮想通貨ATMの需要増▼

とはいえ、それでも仮想通貨は決済手段として広がりません。
そのネックとなっている理由のひとつはボラティリティ(価格変動)。
昨日80万円だったのが今日は75万円、そして明日は68万円…となるようなものを、仮に決済手段だと言われても不安を覚えるのは一般的な感覚です。

それは単に損するから、というだけの話ではありません。
取引にかかわる者同士の信頼の問題につながります。

現在取引の多くは(ハイパーインフレの国でない限りはおそらく)法定通貨が基準となっています。
しかし、仮想通貨の変動ひとつでその法定通貨で決められた契約金額通りに支払われなかったら?

ビジネスの関係にヒビが入るかもしれません。

大手ビットコインATMのCEO「日用品の決済なら既存の決済手段の方がマシ」

このような状況について、仮想通貨ビットコインATMの大手の一つである米コインソース社のシェフィールド・クラークCEOは次のように指摘しています。

「ビットコインを日用品の支払いに使うのは、時間とコストの面から、ほとんどの人にとって現実的ではない」
「日用品の決済であれば、従来型の金融ソリューションの方が容易でコストも安い」

「仮想通貨ATMの用途は仮想通貨への投資目的ばかり」

同CEOは、仮想通貨ATMの現時点での利用の目的の大半は、仮想通貨での決済ではないとしています。

同社のATMを利用する層は、BTCへの投機目的か、ほかのアルトコインへ投資するためにBTCを購入している

さらに、▼

ATMを利用する層の3分の1は、従来の金融機関にアクセスできない「アンバンク」層

そのため、どんなに仮想通貨ATMが増えたところで根本的な問題(ボラティリティなど)が解決しない限り、仮想通貨そのものが決済手段として普及することはない、としています。

1週間で20%も価値が変動するリスクがなくなり、ビットコインで牛乳を買えるようになるまでは、一般大衆に広く採用される動きは緩慢なままだ

「仮想通貨の普及には”一貫した”規制が必要」

さらに、仮想通貨が決済手段として普及するには政府による規制の整備が必要だと同CEOは強調します。

ただし、単に規制をすればいいわけではありません。

米国内では州ごとに規制が異なることで、執行において一貫性に欠けていることが大きな問題だ

ちょっと解説をつけ加えると、米国では、各州が実質”国”と同等の機能を備えています(日本の都道府県とはまったく位置づけが異なります。)

そのため州法=国の法律のような役割を果たすわけですが、現実としては、ビジネスや人間の経済活動は州を超えて行われるわけです。

A州とB州との仮想通貨規制が異なれば、当然混乱が生じます。

そのため、州を超えて連邦として統一された規制が必要だ、というわけです。

関連するまとめ

CBOEが米国証券取引委員会(SEC)へビットコインETFを申請|価格上昇への期待と…

仮想通貨ビットコイン先物を扱っている米デリバティブ取引所大手のCBOE(シカゴ・オプション取引所)が、米証券…

仮想通貨まとめ編集部の志水 / 5320 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。