仮想通貨市場の発展にもマネーロンダリング問題の解決は不可避

仮想通貨に常につきまとう問題の一つがマネーロンダリング問題。
P2Pで送金できてしまい、国や組織の介在を必要としない性質から、テロ組織などの資金源になっているのではないか、という懸念が常に世界各国の悩みの種となっています。

また、マネーロンダリングの懸念があるからこそ、機関投資家の参入も阻まれているといえるでしょう。

世界的な資産運用会社のブラックロックのフィンクCEOはかつて仮想通貨を「マネーロンダリングのインデックス」と呼んだほどです。

ドイツのオラフ・ショルツ財務相は、先日、仮想通貨が法定通貨に取って代わることに疑問視した発言を行いましたが、あわせて仮想通貨のマネーロンダリング問題にも触れています。

仮想通貨はマネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪行為に使われる可能性があるため、監督当局が厳重に監視する必要がある

仮想通貨マネーロンダリング”世界的な規制”は10月に策定か

とはいえ、マネーロンダリング問題はもはや一国の規制で対処しうる問題ではなく、世界的な協調が必要なテーマとなっています。

そんな中、マネロンやテロ資金対策などで国際的な協力を推進する金融活動作業部会(FATF)が、仮想通貨におけるアンチマネーロンダリング(AML)の世界的な枠組み創設に向けて動いているとのこと。

19日、フィナンシャル・タイムズが報じました。

FATFのマーシャル・ビリグスリア代表は、各国でAMLスタンダードの「ギャップ」を埋めることを目指して、新たな基準の策定を10月のFATFの総会で行うと発言
「一貫して適用できる世界的な基準の策定が重要だ」
10月にFATFは、現在存在するスタンダードのどれをアップデートする必要があるのか、話し合う
その上で各国の適用状況を評価する方法を改訂し、いつからその方法を使い始めるかを協議

仮想通貨”だから”マネーロンダリングになるのか?__銀行だから安全とはいえない現状

ただ、「仮想通貨”だから”マネーロンダリング」という見方に筆者は疑問を覚えます。

というのも、とある調査では、テロリストたちにとって仮想通貨は実際それほど使い勝手があまりよくなく、むしろ現金を好んで使うほうが多いということが明らかになっているからです。

少額の取引で使うことはあっても、組織の動向に影響を与えるような多額の取引で仮想通貨が使われるケースはあまりない模様。

さらに、現在、世界のメディアをにぎわせているデンマークのダンスケ銀行の問題。

内部告発者の2年前の訴えに基づき、デンマーク最大手のダンスケ銀行(Danske Bank)が1500億ドルのマネーロンダリング(資金洗浄)容疑で捜査されています。

この問題には、シティグループもドイツ銀行も関与していると言われています。

ダンスケ銀行は今年4月、仮想通貨に対して批判的な態度をあらわにし、「我々は仮想通貨をサポートしない」と宣言しました。


その理由は次の通り▼

・資産価値が不透明
・ボラティリティが大きすぎる
・マネーロンダリング・犯罪の温床になっている

AML対策の一環として仮想通貨を拒否したわけですが、実は法定通貨でマネーロンダリングを支援していたかもしれないという疑いが今持たれているわけです。

まとめ

日本では、地方銀行などでのKYCの甘さがマネーロンダリングの温床になっていた可能性があるとして、金融庁の調査が入っています。

「仮想通貨”だから”マネーロンダリング」でもなければ「法定通貨”だから”安全」「銀行”だから”安全」なのでもありません。

仮想通貨”でも”法定通貨”でも”銀行”でも”マネーロンダリングの危険性はあるのです。

仮想通貨はいずれ廃れる、危険だ論を唱える経済学者の多くはこのマネロンの危険性を例に挙げますが、不思議なほど彼らは「法定通貨はマネロンの危険性がある」とは言いません。

「マネロンの最大の温床はヒューマンエラーと人間の心理だ」

ということを理解しない限り、まっとうなAML対策はいつまでたっても講じられないのではないでしょうか。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。