アメリカ国内で各規制当局への規制明確化の声が高まる

アメリカ国内で仮想通貨規制の明確化の声が高まっています。

これまで、ビットコインETFやICO詐欺の関係で規制の責任が問われるのはアメリカ証券取引委員会(米SEC)ばかりでした。

しかし、他の関係機関に対しても、要望が高まっています。

現在、各規制当局(SECやCFTC(米商品先物取引委員会))が仮想通貨やICOの規制をどうするかについて検討しています。

そんな中、米国連邦預金保険公社の前会長Sheila Bair氏は「アメリカ連邦政府も公式な仮想通貨規制体制を確立すべきだ」と発言しました。

(仮想通貨業界は)無駄騒ぎが多過ぎますね。だからこそ連邦政府の規制体制があれば助けになるだろうと思います。
米国議会も仮想通貨のマーケティング、トレーディング、販売の規制体制に踏み込む必要があるのではないでしょうか

現在、スタートアップの役員も務めるベア氏。
そんな立場だからこそ、「規制のムダさ加減」がわかるのかもしれません。

さらに同氏は、仮想通貨規制には金規制の手法が参考になるとしています。

ビットコインであれば、一番近い性質を持つのは金ではないか
コモディティに対応した規制体制が上手く働くかもしれません

こういったことを考えると、枝分かれ規制はやむをえないとしつつも、マネーロンダリングの懸念を考慮するとどうしても連邦政府としての規制は必要であるとしています。

過密な仮想通貨市場に必要なのは、強固に市場操作を規制できる統制された取引環境
重要なのは、連邦政府による規制体制を設置させること

米国歳入庁(IRS)に「仮想通貨課税を明確化すべき」要望

規制の明確化を迫られているのは連邦政府だけではありません。
課税についても規制の明確化が求められています。

米国歳入庁(IRS)の長官に対し、複数の国会議員が「いつまでも4年前の暫定的な規制ではなくきちっとした課税制度を整えるべきだ」と書簡で訴えました。

納税者が税制を理解しやすく、法律に準拠する形で納税できる体制を作ることこそ、租税管理者であるIRSの義務である

IRSは、2014年3月に、仮想通貨は税務上「資産(property)」として扱われるという指針 (Notice2014-12) を発表。
税金関連の課題を明確にする取り組みを始めました。

しかしその後、この2014年指針をよりどころにするスタンスは変わらず。
2016年頃から公認会計士協会などから更新する必要性を迫られていました。

しかしIRSはこの仮想通貨課税の規制を明確化することなく、2014年指針を強行に適用することを優先。2016年12月、仮想通貨取引所Coinbaseに対し、50人分のデータを要求したのはその一例です。

また今年になり、納税者に対し仮想通貨取引の適切な税の申告がなされない場合は、監査の対象になるほか、ペナルティや刑事訴訟をも検討するといった警告を発しました。

このような”民主的でない”IRSの措置に、今回国会議員たちはIRSの課税制度の整備という責任を追及したわけです。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 2510 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。