仮想通貨の中心地は今でも”中国”___規制があっても相変わらず

「仮想通貨の規制を強化したおかげで、中国国内の仮想通貨取引は90%から5%に低下した」


18日、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)と仮想通貨取引によるリスクを投資家に「思い出させる」新たな発表の中で、中国の中央銀行に相当する中国人民銀行はこのように言及しました。

しかし、その割には、いまだに相対取引はなくなりません(そして確実にその数値は”5%”のうちに入っていません)。

また、中国当局の規制をかいくぐるべく、新たな仮想通貨関連サービスを編み出したり、新たなドメインを取得したりする仮想通貨スタートアップも存在します。

さらに、規制の対象となっている仮想通貨ビットコインで生活してみようというチャレンジングな企画番組も▼

こういったことから、仮想通貨が中国から払しょくされたとは言い難いのです。

この状況につき、「アフター・ビットコイン」の著者である中島真志氏は、5月のPHP総研の講座にて、次のように語っています。

中国の仮想通貨熱は「人民元切り下げ」がきっかけ

今、仮想通貨取引の中心地は日本であるといわれています。世界層取引の30%-40%は日本なのだとか(※2018年5月時点での数値であり、変動している可能性があります)

ただ、昨年夏においては、中心地は中国でした。その取引量は世界層取引量の90%に上ります。OKコイン、Huobi、BTCチャイナが三大取引所としての地位を占めていました。

なぜこのように中国で仮想通貨取引が過熱したのでしょうか。

きっかけは2015年8月、人民元が切り下げられたことにあります。

人民元の先安観が生じ、富裕層が人民元をドルに移そうとしました。
政府はこれを規制し、海外への資本流出を食い止めようとしました。

中国元と米ドルはともに法定通貨であり、銀行を通さない限り換金できません。当然換金には規制がかかります(相対ならば話は別ですが)。

ではもし、仮想通貨という「ブリッジ」を使ったとしたら?

当時、仮想通貨については購入制限等はかかっていませんでした。

したがって、中国元→仮想通貨→米ドルならば、いくらでも換えられるのです。

こういった事情が、中国国民の仮想通貨取引過熱の背景にありました。

しかし、こういった状況は当然中国当局にとっては危機につながります。

国内から仮想通貨を通じて資本が流出してしまうわけですから。

そのため、「詐欺」「マネーロンダリング」などの防止と称して、仮想通貨やICOについて規制を一斉に強化します。

結果、”表向き”、中国は仮想通貨の主戦場ではなくなりました。

”マイニング”によって仮想通貨と中国はつながりを持ち続ける

しかし、だからといって仮想通貨と中国のつながりは切れません。

「マイニングビジネス」があるからです。

広大な中国、特に中央の砂漠地帯は電気代も安ければ地代も低いというマイニングにはうってつけの地域です。

ここで仮想通貨と中国のつながりは保たれることになります。

表向きは取引所でビットコインを購入できなくても、そのかわりに、マイニング(採掘)によって手に入れる方法があります。
マイニングファームの世界シェアを見ると、上位13社が全体の8割を占めるという寡占状態。そのうちの7割を、中国の10社が占めているのです
中国でこれほどマイニングが盛んな理由は、圧倒的な電気代の安さにあります。その値段は先進国の7分の1
マイニングにはコンピュータを24時間365日稼働させる必要があるため、電気代が安いほどに有利。先進国では到底中国に太刀打ちできません。

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仮想通貨まとめ編集部の志水 / 20765 view

鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


この他、ZUU Online, マネーの達人などで税務・会計を中心に解説しております。


2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。