仮想通貨の流動性の向上には機関投資家の参入が欠かせないと言われています。
個人投資家の市場であるということは流入する資金が少ないということです。
現状のままでは仮想通貨市場の流動性は高まらず、ボラティリティが高いままになってしまいます。
また、資金が乏しければ、仮想通貨の技術向上も望むことができません。

そこで、巨額の投資資金をもつ機関投資家の参入が欠かせないのですが、ここにはいくつかの障壁があります。

その障壁のひとつがカストディ(保管・管理)。

カストディアン業務に参入する企業はCoinbaseなどをはじめすでにいくつか出てきています。

しかし、機関投資家に相手にされにくいものばかり。

そんな中、今回、アメリカ初の公的認可を受けたカストディアンが誕生しました。

ブロックチェーンセキュリティ企業BitGo、米国初の”認可”カストディアンへ

CNBCによれば、仮想通貨ウォレットとブロックチェーンのセキュリティ会社ビットゴー(BitGo)が、サウスダコタ州の銀行部門から信託会社としての認可状を取得したとのことです。

今回初めて、規制された仮想通貨カストディアンが誕生したことになります。

今後同社は、今後機関投資家に向け、BitGo Trustを通して、認可された仮想通貨管理(カストディ)サービスを提供していく予定です。

カリフォルニア州拠点のビットゴーは、信託会社を創設することで、本人確認(KYC)およびアンチ・マネー・ロンダリング(AML)のチェック、財務監査の実施、月次情報開示を含む規制の監視の対象となる。

BitGoは、2013年に業界でも先駆的であったマルチシグホットウォレットの提供を開始。

マルチシグ技術は、LINEの提供する仮想通貨取引所BITBOXでも利用されています。
仮想通貨取引所の中では、顧客から預かっている仮想通貨管理の際必要な技術の一つとなっています。

マルチシグについては、今年1月、コインチェックからNEMが流出した際、ホットキーワードの一つとなったので皆様もよくご存知ではないでしょうか。

ただ、カストディ業務にも金融の知識が必要です。

2018年1月、当時120億ドル(約1.3兆円)のデジタル資産を管理していたKingdom Trust Companyの買収を試みました。
しかし、その買収はお流れに。

結果、同社は、今年5月、独自の管理機関BitGo Trustを設立しています。

▼ちなみにこのKingdom trust、再保険引き受け最大手のロイズと契約しています▼

BitGo Trustが提供するカストディ業務一覧

ビットゴーが提供するカストディ機能は主に次のようなものになっています。

銀行基準クラスIIIの金庫を使用した100%のコールドストレージ
75種類以上の仮想通貨、トークンに対応
機関基準のポリシー制御
複数ユーザー対応の口座
迅速な手続き
365日24時間体制でのサポート

BitGo CEO「既存の金融機関は仮想通貨管理に長けていない」

これまでの常識で言うと、「仮想通貨カストディアンであっても金融機関がやるべき」となっていました。
なぜかというと、カストディアンを変えたりするのは非常に面倒な作業だったりするからです。

しかし、BitGoCEOは次のように語ります。

既存の管理機関(カストディアン)は、仮想通貨の扱いに長けていなく、仮想通貨取引所でカストディサービスを提供する際は、利害の衝突が起き、規制的懸念も残る。

機関投資家を呼び込みたい側としては、スタンスがどこか「既存の伝統的な金融機関におもねる」ことになりがちです。

が。

彼らの言い分だけでなく、仮想通貨管理の現実を見ることも大事です。
実際金融機関も仮想通貨管理のデリケートさや難しさには気づいており、だからこそ技術者を募集しているわけですが、それでもノウハウを蓄積してきたブロックチェーン企業の方がやはり上、と言うことになるかもしれません。

あるいは、どっちが上でどっちが下、ということではなく、今後、金融機関がブロックチェーン企業を買収するといった流れが出てくることもあり得ます。

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鈴木まゆ子

税理士・ライター。


2017年の1年間、仮想通貨は”投機手段”として知られるようになりました。

しかし、本来は国や組織を通さない決済手段です。

そのため、経済や金融で危機を迎えている国々においては、「安全資産」のひとつとして注目されています。

何のバックグラウンドも持たないまま、人々の信用だけで「貨幣としての価値」を認められるようになった仮想通貨。
今後どうなっていくかをじっくり見守りたいと思っています。

こちらのサイトでは、その仮想通貨をめぐる社会情勢や素朴な疑問を中心にお伝えしていきます。


Twitter: mayu_suzu8


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2017年11月20日、TOKYO FM「クロノス・プラス」にて、仮想通貨関連について解説いたしました。